「おいしい冷凍研究所」は冷凍食品ビジネスに特化した
株式会社えだまめが運営するサービスサイトです

冷凍食品を解凍しない⁈加熱調理で本格的な味を楽しもう!

加熱するものは解凍せずにそのまま熱を通そう


冷凍した食品は、解凍せずに凍ったまま加熱すると解凍によるダメージを抑えた状態で調理できます。

加熱調理を行うと、食品の温度は高温の温度帯まで一気に上がるので、氷結晶が大きくなる最大氷結晶生成帯(マイナス5~マイナス1℃)や、食品の酵素反応が促進される常温温度帯(10~25℃)を速く通過させることができます。

加熱調理に使う食材などは、そのまま焼いたり煮たりすると上手く調理できます。
大きな冷凍素材を使う場合で、そのままでは火が通らないものについては半解凍を行って、細かく切り分けて調理に使うとよいでしょう。

バラ凍結されたものは加熱調理に便利


市販されている冷凍食品の中には、専用のIQF冷凍機を使って、食材を塊ではなくバラバラに冷凍したもの(バラ凍結品)が販売されています。

チャーハンやひき肉、ブロッコリー、いんげんなどさまざまなものがありますが、これらは気軽に必要なぶんだけ取り出し、炒めたり煮たりしやすいところが特徴です。
これらの冷凍食材を上手に活用して、調理の助けにしましょう。

ただし、バラ凍結された食品は袋の中に空間が多いので、乾燥と酸化に注意が必要です。バラ凍結されたものを購入した場合は、食品に霜がついてしまわないように適切な方法で保存するようにしましょう。
【関連記事】乾燥しているサイン!冷凍食品の霜・冷凍焼けを防ぐ方法

炭水化物の食品は加熱調理にぴったり


また、冷凍したものを加熱調理すると、できたての食感が再現され、おいしく食べられる食品もあります。

米、麺など炭水化物の食品は、長期保存をするために冷蔵庫などで低温保存をしていると、デンプンが老化し、食感がパサパサになってしまいます。そんな場合は、早めに冷凍庫に入れて保存すると、冷蔵庫保管よりもはるかに保存期間が伸びるうえ、再度加熱調理をすることで、デンプンが糊化し、まるでできたてのような食感が味わえます。

この特性を活かして、炭水化物の冷凍食品が数多く開発されて販売されており、人気を博しています。加熱解凍が容易なうえ、本格的な味わいが再現しやすいため、今後も炭水化物の加熱用冷凍食品は増え続けていくでしょう。

ステーキ肉は凍ったまま焼こう!


厚さのあるステーキ肉などは、凍ったまま油を敷いたフライパンにのせ、蓋をして蒸し焼きにしましょう。

例えば、1.5cmの厚さのステーキの場合は、片面ずつ中火~強火で2.5分ほど焼いたあと、火を止めて2.5分ほど蒸らせば、中心部がミディアムレアの状態でうまく仕上げることができます。

鶏肉など身が厚すぎて表面が焦げることが心配であれば、味付けをしているものは流水解凍で、味付けをしていないものは氷水解凍で半解凍にしてから焼くと、食品へのダメージを抑えながら全体をうまく焼くことができます。

鍋物用の具材は凍ったまま鍋へ


鍋もの用の具材は凍ったまま鍋へ入れ、そのまま煮込めば解凍ダメージを受けることなく加熱できます。肉と肉が固まってダマになることが気になる場合は、加熱しやすいように平たく伸ばして冷凍するか、味がついているものは流水解凍で、味がついていないものは氷水解凍で半解凍し、バラバラにして入れるとよいでしょう。

野菜類の冷凍品は注意が必要です。冷凍前に加熱処理をしていないものは必ず凍ったまま使いましょう。鍋に入れる前に解凍してはなりません。大きすぎるものは半解凍した状態で切り分け、冷凍したまま煮込むようにしましょう。

加熱調理で解凍のダメージを抑え、簡単においしく冷凍品を楽しもう


加熱調理は、解凍時の酵素反応や氷結晶の粗大化を気にすることなく解凍ができる便利な調理法です。

解凍時に失敗が少ないため、餃子や麺類、肉、パンなど、多くの冷凍食品や冷凍品の通販では加熱調理が指定されています。

調理の際に一度解凍して素材に調理を加えたい場合は、流水解凍、氷水解凍、冷蔵庫解凍、自然解凍、電子レンジ解凍など、他の解凍方法と組み合わせることで、最もあった方法を模索してみましょう。
【関連記事】調理済食品の解凍に最適!流水解凍の方法と特徴
【関連記事】生食用の冷凍品の解凍に最適! 氷水解凍の方法と特徴
【関連記事】解凍後の冷蔵が必要な冷凍品に! 冷蔵庫解凍の方法と特徴
【関連記事】常温保存可の調理品の解凍に! 自然解凍の方法と特徴
【関連記事】加熱モードを使おう! 電子レンジ解凍の方法と特徴

また、加熱調理はホームフリージングした食材を解凍する際に最も失敗しづらい解凍方法でもあります。余った食材や料理を加熱調理するだけの状態にして冷凍しておけば、食材をロスすることなく便利に活用できるようになるでしょう。