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冷凍食品をつくるには 急速冷凍機と合わせて揃えるべき機材

冷凍食品や冷凍品を製造するにはどんな機材が必要なのでしょうか。急速冷凍機ばかりに目が行きがちですが、生産から出荷までにはさまざまな工程があり、その工程に合った設備がそれぞれ必要です。 本記事では、冷凍食品や冷凍品を生産から出荷するまでの大まかな流れを説明するとともに、各工程に必要な機材を紹介していきます。

急速冷凍機のほかに何が必要?

冷凍食品や冷凍品を製造したいと思った場合には、急速冷凍機のほかにどんな機材が必要なのでしょうか。
調理した食品を冷凍し、出荷するまでの工程を確認しながら、必要な機材が何かを確認してみましょう。

 
 

冷凍した食品を出荷するまでの工程

冷凍した食品を製造するには、大まかに以下の4つ工程が必要です。
 
①前処理・調理
②冷却
③冷凍
④冷凍保存
 
この4工程を行うために必要な機材を確認してみましょう。
 

前処理・調理には一般的な調理機材が必要

食品を冷凍する前の準備として、食品を加工・調理する機材が必要です。
これは、一般的な調理機材で問題ありません。
冷凍したい形状をつくれる調理・衛生機材を揃えるようにしましょう。
 

冷却にはチラーや氷、送風機が必要

加熱した食品を冷凍する場合は、温かいうちに冷凍すると急速冷凍機に負荷がかかってしまうので、冷却してから冷凍をする必要があります。
食品を冷ます方法として、一般的にはチラーが使われますが、必ずしもチラーで冷やす必要はありません。
【関連記事】急速冷凍機と何が違う? ブラストチラーとは
 
大きさや形態、生産個数によっては、氷水に食品を入れて冷やしたり、風を当てることで冷却したり、常温で食品を冷ましたりしても構いません。
その際には、食品の衛生管理に気を配り、細菌の付着や微生物の増殖を抑えた環境で行うようにしましょう。
この場合必要なのは、製氷機や送風機、衛生管理機材です。
 

冷凍する際には温度計で品温を計測しよう

急速冷凍を行う際には、食品が本当に急速冷凍できているか検証をしなければなりません。
そのためには、食品の品温を計測できる専用の温度計を購入し、冷凍中の食品の品温の変化を記録し、凍結曲線を確認する必要があります。
 
その都度ごとに食品に温度計の針を刺して温度を計測する簡易温度計は1000円~2000円程度で販売されていますが(2017年現在)、計測する度に冷凍機を開けて食品を取り出す必要があるため、食品が常温にさらされてしまって正確なデータを得ることができません。
 
できれば、データロガー機能がついた食品用温度計を別途購入し、正しい凍結曲線を得るようにしましょう。この温度計の購入には5~10万円程度の予算が必要です(2017年現在)。

 

冷凍した食品は冷凍庫(冷凍ストッカー)に保存する

急速冷凍した食品は、出荷するまで冷凍庫(冷凍ストッカー)に保存する必要があります。
 
冷凍食品は食品衛生法の規定ではマイナス15℃以下での保存が義務付けられており、一般社団法人日本冷凍食品協会の自主基準ではマイナス18℃以下の保存が定められています。
そのため、一般的にはマイナス18℃以下の冷凍庫で冷凍した食品を保存する必要があります。
【関連記事】冷凍食品の保存温度 「マイナス18℃」
 
多くのストッカーの温度設定はマイナス18℃以下になっているため、この基準に合致しますが、開け閉めが多く冷凍庫内の温度が上がりやすい場合は、低めの温度帯のものを購入したほうが品質を高く保つことができます。
 
なかには、マグロや高級アイスクリームなど、急速冷凍した後の保管温度に注意が必要な食品もあります。食品の特性や品質に合わせて、適切な温度帯のものを選ぶようにしましょう。
 
また、容量については、急速冷凍した商品を出荷まですべて冷凍庫内で保管しなければならないため、生産量に対し少し余裕がある容量のものを用意するとよいでしょう。
 
加えて、ストッカーに食品を保存する際は、衛生上の観点から原料と完成品を分けて保存する必要があります。定められた衛生基準に合わせて、別のストッカーを使ったり、仕切りで分けて使ったりできるように、確認をしたうえで準備をしておく必要があります。

 
 

ブライン冷凍機を使う場合は真空包装機が必要

ここまでは、急速冷凍機を使った一般的な冷凍食品の製造工程で必要な機材について説明してきました。
エアブラスト冷凍機、液化ガス冷凍機、コンタクト冷凍機を使う場合は、上記の機材を揃えたうえで、個々の商品の特性に合った機材を揃えれば生産が可能ですが、ブライン冷凍機の場合には、必ず真空包装機を用意する必要があります。
 
ブライン冷凍機は、水槽内に入れたアルコールや塩水などの不凍液を冷却し、そこに食品を漬けこむことで急速冷凍を行います。
そのため、そのまま食品を入れるとアルコールや塩水が食品に直接接してしまうため、食品を密閉したパッケージに入れる必要があります。
【関連記事】ブライン冷凍機
加えて、冷凍を効率的に行うには、冷却されたアルコールや塩水が食品の表面全体に接する必要があるので、パッケージの中に空気が入っている状態は適切ではありません。
そのため、真空包装を行ってパウチをされた状態で急速冷凍をすることが一般的です。
 
真空包装を行う真空包装機は、パウチのノズルを差し込んで脱気するノズル式と、真空状態を作り出す箱(チャンバー)の中に食品を入れた袋を設置して蓋をし、箱の中を真空にすることで袋の中も真空にするチャンバー式のどちらの機械を使っても構いません。
【関連記事】冷凍焼けを防いで保存性アップ! 真空包装のメリット
 
製造する食品の量や大きさ、特性に合わせて適切なタイプのものを購入するようにしましょう。

 
 

機材を揃える際には荷詰め・包装時の品温上昇に注意

冷凍した商品を包装したり荷詰めしたりする場合には、急速冷凍機もしくはストッカーから出して行う場合がよくあります。その場合、大きなバッチ式の急速冷凍機を使っていて大量の商品を出し入れしたり、大量の在庫をストッカーから出して作業をしたりすると、どうしても商品を長い時間常温にさらしてしまいがちになります。
 
大量の商品を扱う場合は、バッチ式ではなくトンネルフリーザーを使うことで少量ずつコンベアーの上で作業ができるようにして、商品が常温にさらされる時間を少なくするなど工夫が必要です。この点も、機材を選定し揃えるうえで気にしておきましょう。

 
 

製造から出荷までの工程を確認し、適切な機材を選ぼう

このように、冷凍食品を生産するためには、急速冷凍機だけでなくさまざまな機材が必要です。
 
適切な性能や容量の機材を揃えるためには、どのような冷凍食品を生産したいのか、どのような品質で管理したいのか、どれくらい生産するのか、在庫をどの程度どれくらいの期間保存しておくのかなど、生産から出荷までの一連の流れを前もって計画することが必要です。
 
そうした計画を密に練ったうえで、基本的な機材を揃え、調理・前処理のこだわりや、目指す品質によって、機材の追加すべき機能を検討したり、別の機材を買い足したりするようにしましょう。

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