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冷凍焼けを防いで保存性アップ! 真空包装のメリット

真空包装は冷凍食品を保存するうえで効果的な包装方法です。真空包装をして冷凍すれば、食品の乾燥・酸化を防ぐことができ、冷凍焼けや霜の発生を防いで食品を長く保存できるようになります。 本記事では、真空包装をすることで食品を長期保存できる理由を説明するとともに、真空包装を行う際の注意点について紹介していきます。

食品を真空包装すると、酸化・乾燥を抑えられる

常温・冷蔵・冷凍など保存状態に関係なく、食品は空気に触れることによって、表面が乾燥し、酸化してしまいます。
こうなると、食感の悪化、味の変化、臭いの発生など、さまざまな変化が起こった結果、食品は「おいしくない」状態になってしまいます。
 
この現象が冷凍保管中に起きることは、一般的に「冷凍焼け」と呼ばれています。
「冷凍焼け」は冷凍された食品が乾燥・酸化することによって起こっているのです。
【関連記事】乾燥しているサイン!冷凍食品の霜・冷凍焼けを防ぐ方法
 
この乾燥・酸化を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。
乾燥・酸化は食品の水分が空気中に蒸発することによって起こります。
そのため、食品の水分が蒸発する場所となる空気を食品から遮断した状態で包装を行うことが有効です。
 
食品から空気を遮断する方法は、ラップ状の包装材を密着させて密閉するなど、さまざまにありますが、そのうちの有効な手段の一つとして利用されているのが「真空包装」です。

 
 

真空包装機はノズル式とチャンバー式どちらでもよい

食品を真空包装する際には、真空包装用のフィルムで包んだ食品を真空包装機で密閉することが必要ですが、真空包装機には2種類あります。
 
一つは、「ノズル式」と呼ばれる真空包装機で、袋の口の部分にノズルを差込んで、袋の中の空気を脱気し、最後に密閉するものです。
短時間で脱気できるうえ、袋の口の部分のサイズさえ合えばどんなサイズのものも真空パックでき、価格が比較的安価であることから、家庭用・業務用両方の用途で広く使われています。
 
もう一つは、「チャンバー式」と呼ばれる真空包装機で、真空状態を作り出す箱(チャンバー)の中に食品を入れた袋をセットして蓋をし、箱の中全体を真空にすることで袋の中の空気を真空にし、最後に密閉を行うものです。
袋の中が非常に高い真空度になり、ノズル式のように脱気する際に液が袋から出ることもないため、液体の真空包装に適していますが、ノズル式に比べて包装に時間がかかります。
また、チャンバー式で真空包装を行っていると、液体などが袋の中が沸騰しますが、これは袋の中の圧力が下がり、沸点が下がっているためで加熱されているわけではありません。
 
食品を真空包装する場合は、このどちらを使っても問題ありません。
 
ただし、チャンバー式で真空包装を行って水分が沸騰すると、飛沫が飛び散ってシール箇所の密閉ができなくなる場合があります。その場合は真空の度合いを調整して、飛沫が飛び散らないように設定しましょう。

 
 

食品が霜だらけにならず、長く品質を維持できる

食品を真空包装しておくと、水分の蒸発を防ぐことができるので、食品がパッケージの中で霜だらけになりにくくなります。
そのため、見栄えが悪さから店頭から下げる必要もなくなりますし、購入した消費者の冷凍庫の中で長く保存されても、外観のよい状態を保つことができます。
 
霜は冷凍焼けが起こっていることを示す現象でもありますので、霜の発生を防ぐことで、見栄えだけでなく冷凍した食品の味や食感、風味も良好に保つことができます。

 
 

真空包装をする際には脱気のしすぎに注意

気を付けたいのが、肉や魚を真空包装する際の脱気のしすぎです。
 
ノズル式で強く脱気したり、チャンバー式で真空加工をする際に強めに真空設定をしたりすると、食品がパウチのなかで潰れてしまうおそれがあるだけでなく、冷凍した肉・魚を解凍した際にドリップが多く出てしまうことがあります。
 
これは、強く真空パウチをすると肉や魚に強い圧力がかかって食品を潰し、水分を押し出してしまうために起こります。冷凍前の食材ではドリップがでない場合でも、それを冷凍・解凍すると、食材の組織が多少ゆるむことで水分が押し出されやすくなってしまいます。
 
食品を空気に触れさせないことが重要とはいえ、脱気は食品が潰れない程度にしておきましょう。

 
 

揚げ物を真空包装する際は潰れないか検証を

肉、魚などの生鮮食品や、スープなどの液体、ペースト状の食品はその形状から、脱気しやすく真空包装に適していますが、揚げ物や焼き物、点心など、立体的な形状の食品は、脱気をすると潰れてしまうため、真空包装には向いていません。
 
真空包装をする場合は、形状を重視しないものを選ぶか、揚げたり焼いたりする前の素材段階で行うようにしましょう。
 
どうしても揚げたり焼いたりしたい場合には、一度包装をしない状態で冷凍し、冷凍後に真空包装をすることも可能です。この場合も、食品が潰れないか、破損しないかなど注意しながら脱気の強さを調整しましょう。

 
 

真空包装はブライン冷凍機との相性がバツグン

真空包装をして密閉してある食品はブライン冷凍機との相性が良いといえます。
脱気してあるため、袋の中の食品とブライン液を密着させることができ、食品の熱を効率的に奪うことで急速冷凍をすることができます。
また、密閉してあるため、食品にブライン液が触れる心配もありません。
 
もちろん、真空包装をした食品でもエアブラスト冷凍機で冷凍することもできるので、自社の冷凍加工に合わせて真空包装を活用しましょう。
【関連記事】ブライン冷凍機

 
 

真空包装を活用して長くおいしく保存しよう

ここまで述べてきたように、食品の冷凍保存に真空包装をうまく活用することができれば、食品の劣化を抑えることができ、長くおいしく、美しい状態で食品を冷凍保存することができます。

適した食品にうまく真空包装を活用することで、食品の寿命を延ばし、価値を上げることを目指しましょう。

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