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脂質の酸化

脂質の酸化とは、脂質内の多価不飽和脂肪酸が空気中の酸素と結合することです。
 
脂質が酸化すると、食品の色が黄色やオレンジに変色したり、異臭が発生したり、味に変化が起きたりします。
サバやイワシといった多脂魚には、高度不飽和脂肪酸が多く含まれているため、酸化の進行が速い性質をもっています。
 
加えて、脂質の酸化により生成された各種カルボニル化合物と窒素化合物が反応して、食品を変色させることがあります。これを油焼けと呼びます。油焼けは、見た目の変化だけでなく、香味を損なったり、栄養価を失わせたりすることにつながります。
 
冷凍した食品においては、食品の温度を下げることで水分や微生物を原因とした品質の劣化を防いだり、遅らせたりすることができるように、脂質の反応も貯蔵温度が低いほど抑制されますが、止まるわけではありません。
特に、温度が低い場合でも、冷凍した食品を乾燥しやすい状態にしておくと、水分が蒸発することによりタンパク質や脂質がむき出しになり、脂肪が酸化しやすくなるため、注意が必要です。
 
そのため、脂質の酸化を防止するためには、下記のように反応を抑制する手段を複数組み合わせて実行する必要があります。
 
1. 酸素の除去、乾燥防止(真空包装、酸素非透過フィルム包装、グレーズ処理等)
2. より低い温度での管理(マイナス30℃以下での管理等(冷凍貯蔵温度が低いほど酸化は抑制される))
3. 酸化防止剤(ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール、カテキン等)の使用
 
また、野菜や果物でも、脂質の酸化が起こることがあります。冷凍野菜の場合は品質劣化を防ぐために、収穫後すぐにブランチングを行って酸化酵素の熱失活処理を行うことが一般的です。

 
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【参照】
『新版 食品冷凍技術』(社団法人日本冷凍空調学会、2009)