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タンパク質変性

タンパク質変性(たんぱくしつへんせい)とは、熱や酸、圧力等によって、タンパク質分子の立体構造が変化して、見た目や性質が変わることです。
たとえば、卵を茹でると透明で液状の卵白が白い固形に変化するのは、加熱によるタンパク質の変性です。
変性を起こしたタンパク質は、ほとんどの場合、変性前の状態に戻る事はありません。
 
食品を冷凍する場合は、加熱や加圧を行った場合のようなタンパク質の分解が起こるほどの変化ではないものの、条件によってはタンパク質が変化することがあります。これを冷凍変性と呼びます。
魚肉や畜肉などタンパク質含量の多い食品では、マイナス15℃など比較的高い保管温度で長期間保存していた場合などは冷凍変性によって、食品の骨格となるタンパク質が崩れて軟化やスポンジ化することがあります。
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また、タンパク質は高い水和性を持ち、多量の水分を保持しています。変性によりタンパク質が崩れることで水分を保持できなくなり、解凍する際に水分がドリップとして食品外に流出することがあります。
ドリップが出ることで、食品の口触りや歯ごたえが失われるだけでなく、栄養分やうまみ成分も流れ出てしまいます。
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個々の食品によって冷凍変性を防止する方法は異なりますが、ショ糖やソルビトール等の糖類やグルタミン酸、クエン酸などの化学物質が冷凍変性を抑制することが知られています。
 
たとえば、冷凍すり身は、ショ糖やソルビトール、ポリリン酸塩等を添加して、冷凍貯蔵中の冷凍変性を抑制して、長期の冷凍保存を可能にしています。

 
 
【参照】
『新版 食品冷凍技術』(社団法人冷凍空調学会、2009)
土屋隆英「魚肉タンパク質の冷凍変性機構」公益社団法人日本冷凍空調学会 
(http://www.jsrae.or.jp/ron/summary/vol.6-1/6-1-1.html)
福田裕「魚肉タンパク質の凍結変性」中央水産研究所研究報告8号77-92頁
(http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010541813.pdf)