ぶりを冷凍・保存・解凍調理する方法
ぶりの基本
ぶりは青魚で、身が引き締まっていて、強いうま味があります。かんぱち、ひらまさと合わせて「ぶり御三家」と呼ばれています。西日本では年取り魚として用いられることが多く、古くから神事や祭事に欠かせない魚でした。
ぶりは琉球列島を除く日本各地に生息しています。天然物の漁獲量のトップは長崎県で全体の12.7%を漁獲しており、石川県、島根県が続いています。養殖物では、トップは鹿児島県が全体の24.8%を水揚げしており、大分県、愛媛県が続きます(2015年現在)。
照り焼きや煮物にすることが定番ですが、刺身や鮨ネタ、たたき、照り焼き、ぶり大根、味噌漬けなど幅広い料理法で楽しまれています。
ぶりの旬は冬です。この時期のぶりは「寒ブリ」と呼ばれ、かんぱちやひらまさと比べて、脂肪が多く、独特の風味があります。
冷凍を行う場合は、酸化しやすい不飽和脂肪酸を多く含む青魚ですので、賞味期限を短めに設定しておくか、酸化防止のために空気に触れさせないように下処理や包装を行うとよいでしょう。
ぶりを使った食品の冷凍方法
ぶりを丸ごと
内臓やえらなどの下処理をせずに丸ごと急速冷凍する。
包装はせずに冷凍庫で保存し、凍ったままさくなどに切り分けて販売する。
解凍は、さくの場合は氷水解凍。
ぶりのフィレ、たたき
袋に入れて脱気包装をする(脱気をしすぎるとドリップが出るので注意)か、ラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
冷凍してから脱気包装をしたり、ラップ等で包んだりしてもよい。
解凍する場合は、氷水解凍。
ぶり大根、照り焼き、味噌漬け
ぶり大根、焼く前の味噌漬けは袋に入れて脱気包装を行って冷凍する。
照り焼き、焼いた後の味噌漬けは加熱後の食感が失われる場合があるので、脱気包装はせずラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
冷凍後に包装を行ってもよい。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
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執筆・監修
鈴木徹
冷凍科学技術
冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。