まぐろを冷凍・保存・解凍調理する方法
まぐろの基本
まぐろは赤身魚で、とろけるような脂の甘みが特徴的です。国内で食用とされるまぐろは、めばちまぐろ、きはだまぐろ、びんながまぐろ、みなみまぐろ、こしながまぐろ、くろまぐろの6種です。中でもくろまぐろは最上級であり、本まぐろとも呼ばれます。
まぐろは世界中の熱帯、温帯海域に広く分布しており、日本近海でも数多く漁獲されています。静岡県が全国トップの漁獲量でシェアは16.1%であり、宮城県、高知県が続きます。養殖も年々増加しており、くろまぐろが長崎県や鹿児島県、高知県で多く水揚げされています。
刺身や鮨ネタにはまぐろはなくてはならない存在です。そのほか、しょうゆ漬けやねぎま汁、オイル煮、唐揚げなどでも食べられています。
まぐろの旬は漁獲された地域や種類によって違いますが、国内で最も多く消費されているめばちまぐろの旬は秋から冬にかけてです。産卵前のこの時期が最も脂が乗っています。ただし、世界中から冷凍された旬のまぐろが輸入されていたり、養殖物も出回っていたりするため、市場にはいつでも旬のまぐろが流通しています。
冷凍を行う場合は、酸化しやすい不飽和脂肪酸を多く含む赤身魚ですので、賞味期限を短めに設定しておくか、酸化防止のために空気に触れさせないように下処理や包装を行うとよいでしょう。
また、マグロは冷凍保存をする場合、マイナス50℃以下で保存をする必要があります。高温で保管した場合、身に含まれるミオグロビンが酸化してメトミオグロビンになり、色合いが黒ずんでしまいます。
マグロを使った食品の冷凍方法
まぐろを丸ごと
内臓やえらの処理をしていないまぐろを急速冷凍する。
冷凍保存をする際にマイナス20℃程度の環境では身が黒ずむメト化が起こるので、マイナス50℃以下の環境で保存する。
調理法は、凍ったままさくなどに切り分けて販売する。さくを解凍する場合は氷水解凍。
まぐろのフィレ、さく
袋に入れて脱気包装をする(脱気をしすぎるとドリップが出るので注意)か、ラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
冷凍してから脱気包装をしたり、ラップ等で包んだりしてもよい。
解凍する場合は、氷水解凍。
まぐろのしょうゆ漬け
しょうゆ漬けは袋に入れて脱気包装をして冷凍する。
解凍する場合は流水解凍もしくは氷水解凍。
まぐろのねぎ汁、オイル煮、唐揚げ
ねぎ汁、オイル煮は、袋に入れて脱気包装する。
唐揚げは加熱後の食感が失われる場合があるので、脱気包装はせずラップ等で隙間なく包んで冷凍する。冷凍後に包装を行ってもよい。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
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執筆・監修
鈴木徹
冷凍科学技術
冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。