トマトを冷凍・保存・解凍調理する方法
トマトの基本
トマトには、有害な活性酸素の働きを抑える抗酸化作用をもつリコピンが豊富で、ほかにもビタミンC、Aが多く、血圧を下げるカリウム、ルチン、脂肪の代謝を助けるビタミンB6などが含まれています。
種のまわりのゼリー部分にはうま味成分であるグルタミン酸が多く含まれているため、この部分を料理に活用することでトマトのおいしさを活用することができます。
枝について完熟したトマトは味がよく栄養価も豊富です。一般的には日持ちを考慮して緑色が残る状態で収穫され、20℃以上の環境で追熟します。熟して赤みが増すと糖度が高くなるため、赤く色づいた頃が食べたり冷凍したりするためにはよいタイミングでしょう。
露地栽培での旬は6~9月ですが、ハウス栽培には旬がありません。
トマトは酵素反応が弱い野菜なので、冷凍・解凍をしても加熱せずに食べることができますが、水分が多い野菜なので解凍すると実の弾力がなくなってしまいます。
そのため、調理する場合は凍ったまますりおろしてペーストにしたり、半解凍してカットしスープにしたりするなど、元の形を崩して活用しましょう。
トマトソースなど、加熱したうえで実の形を崩したものは問題なく冷凍・解凍できます。
トマトを使った食品の冷凍方法
生トマトを丸ごと
ラップ等で隙間なく包んで冷凍。
解凍すると弾力が失われるため、すりおろして使うか、半解凍の状態で細かくカットして調理に使う。
生ペースト
袋に入れて脱気包装をして冷凍。
解凍する場合は、流水解凍を行うか、凍ったまま加熱調理に使う。
加熱済みスープ、ソース
袋に入れて脱気包装をする。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
野菜の冷凍・保存・解凍について、もっと詳しく知るには?
野菜は冷凍をすると、水分を維持する機能が失われてしまうため、食感が落ちてしまいやすい食品です。
葉物、根菜、いもなど野菜の種類に合わせた急速冷凍・保存・解凍の方法を詳しく紹介します。
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執筆・監修
鈴木徹
冷凍科学技術
冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。