がざみ(わたりがに)を冷凍・保存・解凍調理する方法
がざみの基本
がざみは、滑らかな身質と上品な甘みが特徴的です。一番後ろの脚が櫂のようになって泳げることから、「わたりがに」と呼ばれることが多いです。
北海道南部から九州にかけて生息しており、内湾の砂泥底を好みます。かつては国内のどこでも漁獲することができましたが、近年は激減しており、高価になっています。安価なものはほとんどが輸入された冷凍ものです。
大型のかにと同様に塩茹でや蒸しがにとして食べることができますが、味噌汁にするのが定番となっています。また、さばいたがざみを素揚げにしたものは香ばしさがありおいしいです。
身が詰まる晩秋から春にかけてが旬となります。しかし、冬になると、がざみは深いところに潜ってしまうため、漁獲量は少なくなります。
がざみは殻が付いたまま冷凍すると、保存中に身が乾燥しやすいので、低温保管したり、保存期間を短くしたりするなど品質管理に注意する必要があります。
がざみを使った食品の冷凍方法
がざみを丸ごと
冷凍後、氷を付着させてグレージング処理を行うか、ラップ等で隙間なく包装する。
あるいは、袋に入れて脱気包装をする(脱気をしすぎると食品が潰れる場合があるので注意)。
解凍する場合は、下処理や脚の切り離しをしていないものは氷水解凍。それ以外は袋に入れて空気を抜いて氷水解凍。
生がには冷凍・解凍を行うと関節が黒ずむことがあることを踏まえて冷凍する。
がざみのボイル、蒸しがに、焼きがに、素揚げ
ボイル、蒸しがに、焼きがに、素揚げは袋に入れて脱気包装をする(殻がついたままの場合は袋が破れないように注意)。
もしくは冷凍後、ラップや包装材で隙間なく包んで保存。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
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執筆・監修
鈴木徹
冷凍科学技術
冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。