たいを冷凍・保存・解凍調理する方法
たいの基本
たいは白身魚で、淡白で風味豊かな味わいが特徴的です。古来より赤い色がめでたいとして珍重されてきました。
たいは北海道南部から九州まで、日本海、太平洋、瀬戸内海など広い地域に生息しています。漁獲量は天然物が2割弱、養殖物が8割を超えています。天然物は長崎県、福岡県、愛媛県などで漁獲され、養殖物は愛媛県が5割以上を生産しています(2015年現在)。
刺身や鮨ネタはもちろん、煮物や焼き物、蒸し物、鍋物など多種多様な料理に用いられています。新鮮なものは、目が青く澄んでおり、えらが鮮紅色をしています。
たいの旬は、産卵直前の春と言われています。産卵直後は味が落ちてしまいますが、秋頃には再び脂が乗っておいしくなります。
たいを使った食品の冷凍方法
たいを丸ごと
袋や容器にたいを入れ、水を張って冷凍(氷漬け冷凍)。冷凍する際に内臓を取り出すなど下処理はしない。
氷漬け冷凍が難しい場合は、内臓やえらなどの下処理をせずに丸ごと急速冷凍する。
包装はせずに冷凍庫で保存し、凍ったままフィレなどに切り分けて販売する。
解凍は、刺身用の場合は氷水解凍。
たいのフィレ
袋に入れて脱気包装をする(脱気をしすぎるとドリップが出るので注意)か、ラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
冷凍してから脱気包装をしたり、ラップ等で包んだりしてもよい。
解凍する場合は、氷水解凍。
たいの煮物、焼き物、蒸し物
煮物、蒸し物は袋に入れて脱気包装を行うか、ラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
焼き物は加熱後の食感が失われる場合があるので、脱気包装はせずラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
冷凍後に包装を行ってもよい。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
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執筆・監修
鈴木徹
冷凍科学技術
冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。