たらばがにを冷凍・保存・解凍調理する方法
たらばがにの基本
たらばがには、甘みの強い身が特徴です。生息域がたらと重なることから、「たらばがに」と呼ばれます。「かに」という名がついていますが、厳密にはカニではなく、生物学上はヤドカリの仲間です。
日本海、オホーツク海、ベーリング海などに生息しています。国産のものはそれほど多くはなく、アメリカやロシアから多く輸入されています。
たらばがにはみそがほとんどありません。そのため、甲羅を外して蒸すのが一般的です。そのほか、刺身やしゃぶしゃぶ、焼きがにでも楽しまれています。
旬は、秋から冬にかけてです。産卵期にあたる春から夏は、脱皮するために水っぽくなります。
たらばがには殻が付いたまま冷凍すると、保存中に殻の中の身が乾燥しやすいので、低温保管したり、保存期間を短くしたりするなど、品質管理に注意をする必要があります。
たらばがにを使った食品の冷凍方法
たらばがにを丸ごと
ラップ等で隙間なく包装し、液体窒素を使って冷凍。
あるいは、液体窒素での凍結後に氷を付着させてグレージング処理を行う。
(品質にこだわらない場合は液体窒素を使わなくても構わない)
解凍する場合は、氷水に浸けて氷水解凍。
下処理がされている場合や、胴体や足が切り離されている場合は、袋に入れて空気をぬいて氷水解凍。
生がには冷凍・解凍を行うと関節が黒ずむことがあることを踏まえて冷凍する。
たらばがにのボイル、焼きがに
袋に入れて脱気包装をする(脱気をしすぎると食品が潰れる場合があるので注意)。
もしくは冷凍後、ラップや包装材で隙間なく包んで保存。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
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執筆・監修
鈴木徹
冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。