いせえびを冷凍・保存・解凍調理する方法
いせえびの基本
いせえびは、華やかな姿形が特徴的な大型えびです。古来より縁起物として儀式や祝いの場、正月などの年中行事に用いられてきました。鎧を付けた武士を連想させる姿から、具足海老とも呼ばれていました。
茨城県以南の太平洋側の浅い海に生息しています。国内の水揚げ量は1,200tほどしかなく、東南アジアやアフリカなどから20,000tほど輸入しています。養殖法は研究されているもののまだ成功していないため、すべて天然ものです。
いせえびは刺身やフライ、ステーキ、鍋、パエリア、みそ汁などさまざまな方法に用いられています。また、生きたまま直火で焼く残酷焼きといわれる調理も行われます。
いせえびの旬は、10月から1月の水温が下がる時期と言われています。5月から8月の産卵期は、身が細り味も落ちます。
いせえびを使った食品の冷凍方法
いせえびを丸ごと
袋や容器にいせえびを入れ、水を張って冷凍(氷漬け冷凍)。下処理はしない。
袋に入れて脱気包装する(脱気をしすぎると食品が潰れる場合があるので注意)。
あるいは、ラップ等で隙間なく包装し、液体窒素を使って冷凍(品質にこだわらない場合は液体窒素を使わなくてもよい)。
解凍する場合は、氷漬け冷凍のものは氷ごと水に浸ける。それ以外は袋に入れて空気を抜いて氷水解凍。
生えびは冷凍・解凍を行うと関節が黒ずむことがあることを踏まえて冷凍する。
いせえびのフライ、ステーキ、パエリア
ステーキ、パエリアは袋に入れて脱気包装をする(脱気をしすぎると食品が潰れる場合があるので注意)。
フライは冷凍後、ラップや包装材で隙間なく包んで保存。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
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執筆・監修
鈴木徹
冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。