
にら(韮)を冷凍・保存・解凍調理する方法
にらの基本
にらは、カロテンやビタミンB2、C、カルシウム、カリウムなどを豊富に含んでいます。にら特有の強い香りの成分であるアリシンは、ビタミンB1の吸収や糖分の分解を促進するため、ビタミンB群が豊富なレバーや豚肉との相性がよいとされています。また、血行が促進されて胃腸の働きを助けるので、風邪の予防や病後の回復にも効果があるといわれています。
濃く鮮やかな緑色で葉先までピンとしてみずみずしいものがよいにらとされています。この状態がよいときに食べたり冷凍をしたりするとよいでしょう。
にらの旬は11~3月とされていますが、年に3回ほど収穫できるため、通年出回っています。
にらを冷凍して解凍すると、食感が極端に悪くなってしまいます。
そのため、食感の影響を抑えるためにさっと茹でて水分を絞って冷凍をするとよいでしょう。
茹でたり炒めたりした加熱済みのにらは、酵素が失活し、食感が既に変化しているため、問題なく冷凍・解凍できます。
ただし、生のにらを加熱調理した場合に比べ、シャキシャキした食感が失われてしまうことには注意しておきましょう。
加熱済みのにらは凍ったまますり下ろすことで、加熱なしでソースとしても使うことができます。
にらを使った食品の冷凍方法
茹でにら(おひたし)
にらをさっと茹でて水分を絞る。
袋に入れて脱気包装をするか、ラップ等で隙間なく包装して冷凍。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
生ペースト
酵素反応を抑えるために、調味料で味をつけておく。
できたペーストを袋に入れて脱気包装をして冷凍。
解凍する場合は、流水解凍を行うか、凍ったまま加熱調理に使う。
炒め物
袋に入れて脱気包装をするか、ラップ等で隙間なく包装して冷凍。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
加熱済みにらソース
袋に入れて脱気包装をする。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
野菜の冷凍・保存・解凍について、もっと詳しく知るには?
野菜は冷凍をすると、水分を維持する機能が失われてしまうため、食感が落ちてしまいやすい食品です。
葉物、根菜、いもなど野菜の種類に合わせた急速冷凍・保存・解凍の方法を詳しく紹介します。
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執筆・監修

鈴木徹
冷凍科学技術
冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。