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にんじん(人参)を冷凍・保存・解凍調理する方法

にんじんの基本


にんじんにはカロテンが多く含まれています。カロテンは免疫力を高めたり、皮膚や粘膜を強くしたりするため、がんや心臓病、動脈硬化の予防に効果があるといわれています。そのほか、カリウムやカルシウムも多く、ビタミンCも含まれています。
葉が生き生きとした緑色のもの、皮はなめらかでハリがあり、にんじん特有の赤みが強いものがよいにんじんとされています。この状態がよいときに食べたり冷凍をしたりするとよいでしょう。
 
旬は4~7月、11~12月とされています。産地が幅広く通年出回っていますが、春夏ものは千葉県や徳島県、愛知県、秋ものは北海道や青森県、冬ものは千葉県や茨城県、愛知県が産地となることが多くなっています。
 
また、にんじんは加熱なしで冷凍すると、にんじんの中にできた氷結晶により繊維が押しのけられて集まり、固まってしまうため、解凍した時には食感がスカスカになってしまいます。
そのため、生のにんじんは食感がわからない程度に薄く細かくスライスしたうえで冷凍すると良いでしょう。スライスした生のにんじんを冷凍した場合は、酵素反応で色や味が変化しないように、凍ったまま煮込むなど、加熱をするようにしましょう。
あらかじめ味付けのしてあるものは、酵素反応が抑えられているため、加熱する必要はありません。
 
加熱済みにんじんは、繊維がやわらかくなっているため、冷凍しても食感が悪くならず、問題なく食べることができます。
加熱済みのにんじんは凍ったまますり下ろすことで、加熱なしでソースとしても使うことができます。

にんじんを使った食品の冷凍方法


スライスした生にんじん


袋に入れて脱気包装をするか、ラップ等で隙間なく包装して冷凍。
解凍時の酵素反応による色や食感の変化を防ぐため、凍ったまま加熱調理に使う。
 

生ペースト


酵素反応を抑えるために、調味料で味をつけておく。
できたペーストを袋に入れて脱気包装をして冷凍。
解凍する場合は、流水解凍、加熱調理。
 

炒め物、煮物


袋に入れて脱気包装をするか、ラップ等で隙間なく包装して冷凍。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
 

加熱済みにんじんソース


袋に入れて脱気包装をする。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。

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執筆・監修

鈴木徹

冷凍科学技術

冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。