かじかを冷凍・保存・解凍調理する方法
かじかの基本
かじかは淡水魚で、くせのない淡泊な味わいをしています。北陸地方ではゴリと呼ばれており、特に石川県金沢市では加賀料理に欠かせないものとして古くから利用されてきました。
かじかは、一生を淡水で過ごす大卵型と、河川で稚魚の時期を海で過ごし成魚になって遡上する小卵型の二種類に分かれます。大卵型は養殖も行われています。本州、四国、九州北西部の河川に生息しています。
鍋に入れると良い出汁が出ます。そのおいしさは、おいしすぎて取り合いが起き箸の勢いから鍋を壊してしまうほど、と言われており、「鍋壊し」という異名まであります。ほかにも味噌汁や唐揚げ、刺身、骨酒などにも利用されています。
旬は秋から冬にかけてです。川底の冷たさに耐えるため、また1月から4月の産卵に備えるために、たっぷりと脂を蓄えており、おいしく食べることができます。
かじかを使った食品の冷凍方法
かじかを丸ごと
袋や容器にかじかを入れ、水を張って冷凍(氷漬け冷凍)。
冷凍する際に内臓を取り出すなど下処理はしない。
氷漬け冷凍が難しい場合は、ラップ等で隙間なく包むか、袋に入れて脱気して冷凍。
解凍する場合は、氷ごと水を張った容器に入れて解凍する(氷水解凍)。
かじかのフィレ
袋に入れて脱気包装をする(脱気をしすぎるとドリップが出るので注意)か、ラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
冷凍してから脱気包装をしたり、ラップ等で包んだりしてもよい。
解凍する場合は、氷水解凍。
かじかの味噌汁、唐揚げ
味噌汁は袋に入れて脱気包装を行って冷凍する。
唐揚げは加熱後の食感が失われる場合があるので、脱気包装はせずラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
冷凍後に包装を行ってもよい。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
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執筆・監修
鈴木徹
冷凍科学技術
冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。