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【事業再構築補助金】申請書の入手方法・書き方|飲食店の業態転換に活用できる補助金

事業再構築補助金は、コロナ禍で打撃を受けた中小企業を対象とした補助金です。補助金を活用することにより、コロナ禍で減少した売上について、新分野へのチャレンジや業態転換を行うことで「事業者自らが」獲得していくことが企図されています。

株式会社えだまめでは、事業再構築補助金について、本記事のほかに、食品関連事業者を対象とした解説セミナーや無料電話相談、申請支援サービスを実施しています。
ご不明な点があれば、ぜひご活用ください。


以下の記事では、事業再構築補助金の基礎知識と、申込書の入手方法、書き方などについて解説します。


事業再構築補助金とは?



事業再構築補助金とは、中小企業庁の予算により新設された補助金です。令和3年度の第3次補正予算(コロナ禍に対応するために編成された予算)により設立されたもので、実施は2021年度のうち5回程度が予定されています。あくまで期間限定の補助金であることには注意しましょう。

補助金の目的は、コロナ禍により売上が減少した中小企業への支援です。中小企業が自ら業績の悪化した現在の事業から、まったく新しい分野にチャレンジをしたり、業態を大きく転換したりすることで、現状を打開し、売上を獲得していくことが求められています。


補助額は、一般的な中小企業が活用しやすい「通常枠」で、100万円~8,000万円補助率は2/3です。申請要件は、以下のとおりです(※一般枠の場合)。


一般枠の申請要件

事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】

2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少しており、2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること。【売上高減少要件】

③補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を作成すること【付加価値額要件】

さらに、一般枠への申請の場合は、申請者が中小企業庁の定義する「中小企業」でなければなりません。申請前に自社が当てはまるか否かは、必ずご確認ください。
【中小企業庁:「中小企業・小規模企業者の定義」】

また、①の要件については、中小企業庁の作成した「事業再構築指針」「事業再構築指針の手引き」を参照し、この内容に合った事業計画を作成することが求められます。必ず熟読しましょう。


※公募要領や指針は更新されますので、常に最新版をご確認ください



「事業再構築指針」は内容が複雑です。ご検討の事業が対象になるか否かの当てはめの手法についてはセミナーにて解説をしています。よろしければ、ご参加ください。


上記について、あくまで弊社の解釈ではありますが、簡単に解説します。食品関連事業者が申請を検討する場合は、まず大まかに以下のチェックポイントを満たすか確認する必要があるでしょう。


食品関連事業者が事業再構築補助金を申請するには?

① 「中小企業」であること

② 売上高(任意の3か月合計)がコロナ前よりも10%以上減少していること、直近の売上高もコロナ前よりも5%以上減少していること

③ これまで実施したことのない新しいジャンルへ挑戦すること or  提供方法や製造方法の大きな転換を行い既存設備を縮小/廃棄すること

④ ③のために設備等の新たな投資を行うこと

⑤ 新規事業を実施することで、既存事業の売上を損なわないこと(顧客を奪わないこと) ※特定の要件の場合

⑥ 新たな投資により、付加価値額(営業利益、人件費、減価償却費)を年3%増加させるような事業計画が描けること

※上記はあくまで補助金を検討するうえでの「第一条件」であり、当てはめる事業再構築指針の類型により他の条件の達成も必要となります。まずは検討を始める際の目安としてお考え下さい

上記が可能そうであれば、自身が思い描いた事業が、「事業再構築指針」のどの類型に当てはまるかを検討のうえ、さらに付加される各種要件や、申請のためのステップを達成できるかを確認していきましょう。


飲食店の場合、「事業再構築」に当てはまりそうな試みは以下のようなものです。



・これまで製造・販売経験のない別ジャンルの商品をメニューに加えて売上を増やす

・これまで取り組んだ経験のない別ジャンルの飲食店に転換する or 新規出店を行う

・これまで取り組んだ経験のない別ジャンルの事業に転換する or 進出する(製造業など)

・①商品の提供方法をデリバリーやテイクアウト、EC販売など「新たな提供方法」に変更し、②新商品を販売する or 既存の設備を縮小/廃棄する

※上記の新しい取り組みや新商品は、これまで実施したことがなく、既存店舗やメニューと顧客を奪い合わないものに限ります

詳細は割愛しますが、上記にはそれぞれ類型ごとに売上達成目標が設定されているので、新たな挑戦を行う場合には、現状の事業と比較してそれなりに売上を得られる計画を立てる必要があります。

補助金は助成金とは違い、資金が支援されるだけのものではありません。国の政策目標に適した事業を選定し、支援するという仕組みがある以上、申請する際には事業者自身がリスクをとって計画を実施し、結果を出さねばならない点は理解したうえで検討しましょう。


「事業再構築指針」にどう当てはめるかについての詳細は、以下の記事をご参照ください。
【関連記事】【相談無料】事業再構築補助金を検討するポイント


事業再構築補助金は持続化給付金の後継施策









2020年12月1日の日本経済新聞の記事によれば、事業再構築補助金は2021年1月に受付が終了した持続化給付金の事実上の後継制度として創設されます。


新型コロナウィルス流行の影響が長引くなか、打撃を受ける事業者への支援策は事業の継続を一時的に支える給付金から、事業者が自ら状況を打開することを補助する補助金へと転換がはかられているということでしょう。事業再構築補助金は、最大200万円であった持続化給付金よりも補助額が積み増されていますが、経費の一部が「補助」される制度であるため、企業にも一定割合の負担が求められるようになります。


加えて、要件に当てはまれば給付された持続化給付金と比べ、事業再構築補助金では、事業者が立てた事業計画に実現性があるか否か、公募要領に記載された要件(以下参照)を達成できるか否かを厳しく審査され、採択された事業者のみしか恩恵を受けることができません。


飲食店・食品事業者を取り巻く環境としては、一時的な救済策が得られる状況は終わりつつあると考えられます。新型コロナウィルスの流行収束の兆しが見通せないなか、多くの事業者には自ら課題の打開に取り組んでいくことが求められるようになっているのです。


事業再構築補助金で申請可能な経費



補助金は、まず事業者が「経費」を使い、その一部が「補助金」として後払いで補填される仕組みです。「事業再構築補助金」は、対象経費が以下のとおりとなっています。


【事業再構築補助金の対象経費】


・建物費
・機械装置費、システム構築費
・技術導入費
・専門家経費
・運搬費
・クラウドサービス利用費
・外注費
・知的財産権等関連経費
・広告宣伝費、販売促進費
・研修費
・海外旅費


たとえば、コロナウィルス感染予防のための外出自粛で打撃を受けた飲食店が、コロナ禍でも需要が手堅く見込める別ジャンルの店舗を新規出店する場合の「内装工事費」「厨房設備費」「別ジャンルについての社員研修費」「別ジャンルの店舗運営についての専門家によるアドバイス」などが対象になります。これらの初期費用を国が補助することにより、コロナ禍でも売上を獲得する後押しをしようとしているのです。


事業再構築補助金について、注目が集まっている一つの理由は、上記のとおり、中小企業庁の補助金では対象外となっていた「建物費」「建物改修費」が対象となったことでしょう。そのため、補助上限も8,000万円(※一般枠の場合)とかなり高額になっています。


また、飲食店の経営者のなかには、「建物費が対象になるのであれば、この機会にセントラルキッチンやそうざい工場を設立したい」とお考えになる方もいるのではないでしょうか。



  • 自社店舗の調理を集約するセントラルキッチン

  • 小売、卸売りをするための食品工場


上記は、新しい調理設備を導入したり、新商品を製造したり、飲食店での提供方法を変えるなど、事業再構築指針の各類型に設定されている要件を達成する計画を立てられれば、補助を活用して導入することが可能です。


初期投資が大きくなりがちなセントラルキッチンや食品工場を新たに構え、自社の飲食店運営の効率化や、固定費の削減、売上増加への試み、販路の拡大等を考えている事業者にとっては強い後押しとなるでしょう。


セントラルキッチンの設立による事業効率化については、以下の記事で解説していますので、ご参照ください。


申請書や公募要領はどこでダウンロードできる?





公募要領は事務局の公式ホームページからダウンロードできますので、常に最新のものを確認し、取得してください。公募要領は公募中に変更されることもありますので、定期的に確認するようにしましょう。


事業再構築補助金 申請資料ダウンロード
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/download.php


申請は電子申請のみとなりますが、申請の準備用に入力項目の書式を得ることができます。
以下の事務局のURLに申請書の書式が公開されていますので、まずは「電子入力項目(word)」を取得し、可能な箇所は埋めていくようにしましょう。


事業再構築補助金 その他参考書類
https://jigyou-saikouchiku.jp/#c2d5


電子申請の際に気を付けるべきことは、申請書は考えながら書くものではないということです。
上記の「電子入力項目(word)」の書類を取得したら、事前にその内容を埋めておき、書類の内容は完成した状態で申請をしましょう。

これまでの補助金では、おそらくアクセス集中による負荷を下げるため、電子申請の際のログイン時間が制限されていることがほとんどでした。今回もそうなると予想されますので、申請の際は、事前に用意したものをコピー&ペーストして入力するようにしましょう。


事業再構築補助金の公募はいつまで? 何回ある?




また第3回以降は「通常枠」のみの受付となりますので、注意しましょう。


申請書に記入すべき内容は?





申請書の記入項目のうち、最も大きな審査の対象になるのが、「(5)事業計画書」の項目です。


ここでは、事業再構築を行う計画内容について、最大15枚の分量で記載するよう公募要領で指示されています。
※補助額1,500万円以下の場合は10ページまで

さらに、その内容は以下の内容を書くよう指示がなされています。



1:補助事業の具体的取組内容 
(1)事業再構築要件について
(2)具体的な取組の内容

2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)

3:本事業で取得する主な資産

4:収益計画   

さらに上記については、申請書内に、さらに細かい指示が記載されていますので、その項目を漏らすことがないように記入していきましょう。

通常から鑑みるに、補助金の審査は減点方式で行われます。これは、申込書に書かれている内容について、主観的に素晴らしい内容が書かれていたからといって採択にはつながらないことを示しています。

補助金に採択されるために必要なことは、限られた字数のなかで、求められている項目にいかに正確に的確に答えるかです。その点をしっかり認識したうえで、公募要領と事業再構築指針、申込書を熟読し、要素を収集したうえで項目を記載していくようにしましょう。

その内容は、「事業再構築の要件整理」「自社の来歴や強みや弱み」「建設計画、内装工事、導入設備の詳細」「製造する新しい商品やサービス」「経費を新商品や新サービスの製造・提供にいかに活かしていくか」「新事業の販路」「マーケティング上の強み」「資金計画」「収益計画表」など、多岐にわたります。これらを具体的に記載していくには、事業の準備を進め、見積りをとり、詳細を明らかにしていくしかありません。

上記の建設契約や設備の手配については、自社のみで完遂することはできないでしょう。事業規模が大規模になればなるほど、綿密な準備が必要です。多くの資金が必要な場合は、金融機関へ融資の依頼も必要になります。建設業者、内装工事会社、設備の販売業者、取引先、取引のある金融機関と相談を行ったうえで、できる限り早くから準備を進めていきましょう。

このように、補助金の申込書を記入するには、事前の準備が欠かせないのです。


自社だけでは申請書が書けない場合はどうするべきか






公開された公募要領や申請書の様式を見て、「この内容を自社で記載するのは難しい」と感じる方も多いかと思います。記載すべき項目は多岐にわたり、かつ求められる事業再構築要件への当てはめも非常に難解なものになっているからです。記載する内容を用意するために、実施すべき事項(関連業者への連絡、見積の手配など)も大変多く、その調整だけでも多大な労力を要します。まず何をすべきか、今後どうしたらよい分からなくなった場合は、周囲の専門家に相談してみましょう。


事業再構築補助金は、先に説明したように申請の要件として「事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む」ことが定められています。


認定支援機関とは、「経営革新等支援機関」ともいい、中小企業・小規模事業者が経営相談等を受けられるよう、専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定を与えた機関のことです。最寄りの認定支援機関を探したい場合は、以下より探すことができます。


中小企業庁:全国の認定支援機関


多くの公認会計士や税理士、金融機関などが認定を取得していますので、まずは普段から相談している士業の方やメインバンクがいるならば、検討している旨を伝え意見を聞いてみましょう。


一方で、認定支援機関はあくまでもアドバイスを提供するだけで、実務を代行してくれるわけではありません。自身では事業計画を策定できない場合や、手厚いサポートが必要だと感じた場合は、補助金申請支援を実施している専門家の力を借りてもよいでしょう。


専門家のなかでも中小企業診断士は補助金の申請支援業務を行うことが多く、補助金申請のための事業計画作成の勘所を心得ていることが多いという特徴があります。


また、弊社をはじめ補助金の申請支援を実施しているコンサルタントなども、他社事例などをもとに、勘所を抑えた支援を実施することができるでしょう。公募が始まったばかりの補助金ではありますが、申請や評価の手法については、これまでの補助金と同様となることが予想されます。自社では対応が難しいと判断した時点で、早めに補助金申請業務に慣れた外部の専門家の助けを借りたほうがスムーズでしょう。


申請の相談はいつからするのがよい?



上記の専門家への相談については、自社の申請を検討し始めた段階で早めに相談したほうがよいでしょう。先にも説明したように、事業再構築補助金は要件の当てはめが大変難解であるため、ここでつまづいてしまうと、先に進むことができません。早い段階で情報収集をし、準備のための整理をしたほうがよいでしょう。


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執筆・監修

おいしい冷凍研究所 編集部

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