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細胞内凍結

細胞内凍結(さいぼうないとうけつ)とは、食品を構成する細胞の内部にある溶液が凍ることです。

動物細胞でも、植物細胞でも、細胞の内部と外部の溶液濃度を比べると、内部のほうが濃くなっています。溶液濃度が濃いほど、凍結点は低くなります。
そのため、食品をゆっくりと冷却すると、凍結点が高い細胞外部が先に凍結します。細胞の外部が先に凍ってそこに氷結晶が発生すると、細胞内部から外部へ水分が脱水されて細胞はダメージを受けます。

食品の細胞にダメージが発生すると、食感や食品の外見に変化が生じやすくなり、品質に悪影響を及ぼします。
冷凍による食品の品質劣化を防ぐためには、細胞の内外に微細な氷結晶を均一に作る必要があります。細胞の内外の温度を凍結点以下に素早く到達させることができれば、内外で同時に氷結晶ができ、細胞が脱水されにくくダメージも少なくなります。
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ただし、冷凍段階で氷結晶生成による品質劣化を防げたとしても、保管状態が悪ければ、氷結晶が徐々に粗大化してしまいます。そうすれば、細胞外部の氷結晶のほうが先に大きくなるため、保管中に細胞が脱水されてしまいます。
細胞外部の氷結晶が大きくなることによる品質劣化を避けるには、できるだけ低い温度で保管したうえで、長期の保管は避けるなど注意が必要です。
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【参照】
『新版 食品冷凍技術』(社団法人日本冷凍空調学会、2009)

執筆・監修

おいしい冷凍研究所 編集部

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