「おいしい冷凍研究所」は冷凍食品ビジネスに特化した
株式会社えだまめが運営するサービスサイトです

急速冷凍がポイント!おいしさをキープする冷凍方法

急速冷凍がポイント!おいしさをキープする冷凍方法

この記事のポイント



  • 急速冷凍(急速凍結)とは、食品の中心温度がマイナス1~マイナス5℃の「最大氷結晶生成帯」を概ね30分以内に通過する凍らせ方です(日本冷凍食品協会の認定基準)。

  • 30分以上かかるのが緩慢冷凍(緩慢凍結)で、家庭用冷蔵庫の冷凍室では緩慢冷凍になります。

  • 品質差を生むのは氷結晶の大きさです。急速冷凍では氷結晶が小さく、組織へのダメージを抑えられます。


ポイントは最大氷結晶生成帯を30分以内に通過できるか


冷凍食品をつくるには、まず「急速冷凍」を行う設備が必要だと言われます。これは何を指すのでしょうか。また、この対義語として使われる「緩慢冷凍」とは何でしょうか。

「急速冷凍」は、食品を凍らせる際に、食品内の水分が凍りやすい温度帯(最大氷結晶生成帯:通常マイナス5〜マイナス1℃)を30分以内に通過させ、早く凍らせることを指します。「緩慢凍結」は食品がマイナス5〜マイナス1℃の温度帯を30分以上かけて通過することで、ゆっくり凍ることを指します。

この「30分」は、一般社団法人日本冷凍食品協会の冷凍食品認定制度が定める基準です。同協会の認定基準(令和7年度版)は、認定の基本要件の一つとして「製品凍結時に、製品の中心温度が最大氷結晶生成温度帯(通常、-1~-5℃の温度帯)を概ね30分以内に通過していること」を挙げ、あわせて出荷時の製品の中心品温をマイナス18℃以下とすることを求めています(日本冷凍食品協会「冷凍食品製造工場認定基準(令和7年度版)」)。

急速冷凍と緩慢冷凍の温度変化の比較図。急速冷凍はマイナス1~マイナス5℃の最大氷結晶生成帯を短時間で通過し、緩慢冷凍はこの温度帯に長く留まるため氷結晶が粗大化しダメージが大きくなる
食品がマイナス5〜マイナス1℃の温度帯になると、食品中の水分のほぼ80%が氷結晶に変わります。その氷結晶の状態(大きさ、数、形状、位置)によって食品の組織に対するダメージの度合いが異なります。
【関連用語】最大氷結晶生成帯

急速冷凍をすれば、冷凍によるダメージが少なくなる


急速冷凍をすると、氷結晶が小形になるので、食品組織に対するダメージを抑えることができ、品質がよい状態で保ちやすくなります。
反対に、緩慢冷凍になってしまうと、水分が大きな氷結晶となり、氷結晶が組織を壊してしまうため、食品にダメージを与えてしまいます。

このため、急速冷凍機を使って、冷気を噴き付けたり、冷却した液体の中に漬け込んだり、冷却した金属で挟みこんだり、液体窒素で冷却したりすることにより、食品を冷凍する速度を上げる必要があります。

主な凍結方法と温度の例は次のとおりです。











方式冷却のしかた温度の例凍結の速さ
家庭用冷蔵庫の冷凍室庫内の冷気で冷やす通常マイナス18℃程度緩慢冷凍(食品の凍結には不十分)
エアブラスト方式冷たい空気を吹き込むマイナス20~マイナス40℃の空気急速冷凍
ブライン方式冷却した液体(高濃度の塩溶液・アルコール類)に漬け込む-急速冷凍
コンタクト方式冷却した金属板で挟む-急速冷凍
液化ガス方式液化窒素や液化炭酸ガスを噴霧する液化窒素マイナス196℃、液化炭酸ガスマイナス79℃急速冷凍(ランニングコストが高い)

出典:家庭用冷蔵庫は日本冷凍食品協会「よくあるご質問」、各方式は高知県工業技術センター「食品の急速凍結技術のご紹介」(2016年3月)をもとに作成。温度は一例です。
【関連記事】急速冷凍機の選び方 エアブラスト・ブライン・液体窒素・コンタクト

家庭用冷蔵庫で冷凍すると緩慢冷凍になる


「緩慢冷凍」は家庭の冷蔵庫で行うホームフリージングのように、マイナス18℃ほどの高い温度でゆっくり凍らせることを指します。
食品を腐らせないためには有効ですが、マイナス5〜マイナス1℃の温度帯を30分以上かけてゆっくり通過するので、「冷凍食品」には当てはまりません。また、食品内の氷結晶は大きくなってしまいます。

日本冷凍食品協会も、家庭用の冷凍室内の温度は通常マイナス18℃程度で、食品を凍結するには不十分で、解凍したときに元の品質に戻らなくなることがあると説明しています(日本冷凍食品協会「よくあるご質問」)。
【関連記事】家庭用冷蔵庫で急速冷凍はできる?できない?

まとめ



  • 急速冷凍=食品の中心温度が最大氷結晶生成帯(マイナス1~マイナス5℃)を概ね30分以内に通過すること。日本冷凍食品協会の「冷凍食品」の認定要件の一つ。

  • 緩慢冷凍=この温度帯を30分以上かけて通過すること。家庭用冷蔵庫の冷凍室(通常マイナス18℃程度)では急速冷凍はできない。

  • 品質差の正体は氷結晶の大きさ。速く凍らせるほど氷結晶が小さくなり、食品組織へのダメージを抑えられる。


冷凍食品の製造に向けて凍結設備の導入を検討している場合は、えだまめの急速冷凍機の選定・導入サポートもご覧ください。

執筆・監修

おいしい冷凍研究所 編集部

おいしい冷凍研究所 編集部

株式会社えだまめ