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凝固点

凝固点(ぎょうこてん)とは、液体が固体に変化する温度のことです。
 
水が氷になることを氷結、その温度を氷点と呼びます。また、純粋に温度変化によって、液体から固体に変化することを凍結(冷凍)と呼びます。
食品を冷凍するときには、食品内の水分が氷結晶になりはじめると温度が一定になり、食品中の水分のすべてが氷になった後に食品の温度が低下します。
 
通常、水の凝固点は0℃ですが、食品内の水分は0℃では凍結しません。食品中の水分には塩や糖が含まれており、その濃度によって凝固点がより低い温度に移ります。この現象を凝固点降下といいます。
凝固点降下によって、食品の凝固点はおよそマイナス5~マイナス1℃の範囲となり、食品内の氷結晶が大きくなりやすい温度帯である最大氷結晶生成帯と重なります。
また、凝固点に到達すると、相変化が起きて水分のほとんどが氷結晶になるまで温度が一定化します。
 
相変化が起こる最大氷結晶生成帯に留まる時間が長いほど、細胞外にできた氷結晶が大きくなって細胞内部が脱水され、細胞にダメージが発生してしまいます。それを防ぐには、低温の環境に置いたり、熱伝達の良い物質に触れさせたりすることで一気に食品の温度を下げ、相変化の際の氷結晶の粗大化を防ぐ必要があります。
 
急速に食品の品温をマイナス5℃以下まで下げると、細かい氷結晶が無数にできる状態になるため、氷結晶の粗大化を防ぐことができます。
 
一般社団法人日本冷凍食品協会が認定する「冷凍食品」の定義では、最大氷結晶生成帯を30分以内に通過する急速凍結(急速冷凍)を行って、氷結晶による食品へのダメージを最小限に抑えることが要件の一つになっています。

 
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【参照】
一般社団法人日本冷凍食品協会「認定基準」(http://www.reishokukyo.or.jp/certification/standard/)

執筆・監修

おいしい冷凍研究所 編集部

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