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魚介類にオススメ!長期保存できる「氷漬け冷凍」の方法

魚介類は丸ごと、水を張って冷凍すると長持ちする


水に漬けても影響がでにくい魚介類は、ちょっとした工夫で、生食用・加熱用ともに鮮度を保ったまま冷凍保存をすることができます。

食品を入れたパッケージに食品の周囲を覆ってしまう程度に水をそそぎ、そのまま凍らせる「氷漬け冷凍」を行うと、長期にわたり保存することができます。豆あじやあさり、しじみなど、小ぶりで保存容器に入りやすいものは、保存容器内に魚介類に被る程度まで水をそそぎ、冷凍庫に入れましょう。さんまなど保存容器には入りにくい大きさのものは、袋等に入れ、そのなかに水を入れて凍らせるとよいでしょう。

周囲の氷が防いでいるのは、空気への接触


水を注いだ容器ごと凍らせると、食材は氷に覆われた状態になるため、食材が空気に触れることを防ぐことができます。

冷凍した食材が、食品パッケージの内の隙間などの空気に触れた状態だと、食材の水分は周囲の空気へ蒸発しやすくなり、乾燥してしまいます。周囲に間隙がないようにパッケージングすることが重要ですが、貝殻などどうしても空間ができてしまうもの、えら等の隙間から空気が入ってしまいやすいものについては、注水による冷凍がより効果的です。

解凍は中の氷ごと水の中へ漬け込んで溶かす


氷漬け冷凍をした食品は、氷ごと水を張った中に漬け込んで解凍します。こうすることで、解凍状態の食品の温度は0℃前後となるため、食品は氷水解凍と同様の状態になり、氷結晶の粗大化や、酵素反応による組織の変化が起こりにくくなります。
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「氷漬け冷凍」は魚介類の保存・輸送に広く用いられている凍結法


氷漬け冷凍は、エビをはじめ、多くの魚介類の業務用輸送に活用されています。業界の用語では「注水凍結」といい、方法も簡単であることから、多くの生鮮魚介品の輸送を支える技術となっています。しかし、保存効果や方法が簡単な一方、注水したぶん容積や重量がかさんでしまうので、保管場所や輸送コストがかさんでしまう点には注意が必要でしょう。