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タラコやアイスは要注意!冷凍食品を長く保存すると食感が悪くなる理由

食品を長く冷凍庫で保管していると、ドリップが出たり、舌触りが悪くなったりすることがあります。特にタラコやアイスで起こりやすいこの現象は、長期保管や冷凍庫の温度上昇による氷結晶の粗大化が原因です。本記事では、氷結晶の粗大化が起こる仕組みについて解説するとともに、この現象を防止する方法について紹介します。

長すぎる冷凍保存はドリップや食感の悪さにつながる

冷凍されている食品を長く冷凍庫に保存していると、ドリップが出たり、食感がザラザラ、パサパサになったりすることがあります。
冷凍していると、品質の変化は抑えられているはずなのに、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

 
 

品質劣化の大きな原因は乾燥と氷結晶の粗大化

冷凍された食品が保存中に劣化してしまう要因は大きく分けて2つあります。
1つは食品の水分が蒸発してしまう「乾燥」。
この原理については、「乾燥しているサイン!冷凍食品の霜・冷凍焼けを防ぐ方法」で説明しました。
もう1つの大きな要因は、食品内の水分が凍ってできた氷結晶が徐々に粗大化することです。

 
 

高めの温度で長く保存すると、氷結晶がだんだん大きくなる

冷凍された食品の内部では、水分組織が脱水され、氷の粒になって固まっています。この氷の粒(氷結晶)は、マイナス18℃などの高い温度で保存していると、徐々に食品内の水分を集めるようになり、大きくなってしまいます。
 
氷結晶は、大きくなればなるほど、食品の細胞や組織を傷つけてしまうため、組織が繊細な生の魚や、タラコやイクラといった魚卵は特に注意が必要です。特に魚卵は粒を破るほど氷結晶が大きくなると、ドリップが大量に出てしまいます。
アイスクリームについても、なめらかな食感が特徴のものは、氷結晶が大きくなるとだんだんザラザラとした食感になってしまうので、注意が必要です。

 
 

低温下で保存すると、氷結晶の粗大化が止まる

氷結晶は長期間保存すると大きくなるものですが、低温下で保存すると粗大化のスピードが大変ゆっくりになることも特徴です。
たとえば、マイナス30℃以下でアイスクリームを3か月以上貯蔵したとしても、氷結晶の大きさはさほど変わりません。
このため、口当たりが重要な食品を長期間冷凍する場合には、できる限り低い温度で凍結・保存することが必要です。
 

 
 

繊細な口当たりの冷凍品は早めに消費しよう


氷結晶の粗大化は、一般の家庭用冷蔵庫の保存温度であるマイナス18℃では避けることができません。そのため、なめらかな口当たりがその商品の特徴である場合は、1か月以内など、早めに消費することを推奨するとよいでしょう。
 
一方で、元々の組織が粗い構造のパン類や、氷結晶が細胞を傷つけても、筋肉組織がある程度食感を補ってくれる肉類については、乾燥防止の対策さえとれていれば長く保存していても問題ありません。

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