あじを冷凍・保存・解凍調理する方法
あじの基本
あじは赤身魚で、臭みやクセがほとんどなく、脂がのってうま味が強いという特徴があります。古くから干物や塩焼きで親しまれていましたが、1960年半ば、伊豆の郷土料理のたたきが全国に広まり、生食されるようにもなりました。
北海道の南部から東シナ海にかけて生息しており、主には長崎県、島根県でよくとれます。また、漁獲された場所でブランド化されており、長崎県の「ゴンアジ」「旬アジ」、大分県の「関あじ」などが全国的に有名です。
新鮮なものは刺身やたたきで食べることができます。定番の食べ方と言えば、塩焼きや干物、焼き物、フライですが、小さいものなら南蛮漬けにして骨ごと食べることもできます。
産卵期を迎えるために、養分をため込む時期が旬だといわれています。日本においては、地域によって産卵時期が違い、西日本では年明けから初夏、北海道では8月です。そのため、年間を通じて旬のあじが出回ります。一般的には、漁獲量の多い長崎県や島根県での旬に合わせて、4月~7月が旬とされています。
冷凍を行う場合は、酸化しやすい不飽和脂肪酸を多く含む赤身魚ですので、賞味期限を短めに設定しておくか、酸化防止のために空気に触れさせないように下処理や包装を行うとよいでしょう。
あじを使った食品の冷凍方法
あじを丸ごと
袋や容器にあじを入れ、水を張って冷凍(氷漬け冷凍)。
冷凍する際に内臓を取り出すなど下処理はしない。
氷漬け冷凍が難しい場合は、ラップ等で隙間なく包むか、袋に入れて脱気して冷凍。
解凍する場合は、氷ごと水を張った容器に入れて解凍する(氷水解凍)。
あじのフィレ
袋に入れて脱気包装をする(脱気をしすぎるとドリップが出るので注意)か、ラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
冷凍してから脱気包装をしたり、ラップ等で包んだりしてもよい。
解凍する場合は、氷水解凍。
あじのフライ(加熱前)
衣をつけたあじを冷凍し、ラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
解凍する場合は、凍ったまま油で揚げて加熱調理する。
あじの干物、塩焼き、フライ(加熱後)、南蛮漬け
干物、南蛮漬けは袋に入れて脱気包装を行うか、ラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
塩焼き、フライは加熱後の食感が失われる場合があるので、脱気包装はせずラップ等で隙間なく包んで冷凍する。
冷凍後に包装を行ってもよい。
解凍する場合は、自然解凍、流水解凍、加熱調理。
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執筆・監修
鈴木徹
冷凍科学技術
冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。