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トンネルフリーザー(エアブラスト冷凍機)の利点と注意点

コンベアで大量の食品を運搬しながら冷凍を行うトンネルフリーザーは大量生産に非常に適したエアブラスト冷凍機です。短時間で大量の食品を急速冷凍できる一方で、大型機械ならではの取り扱いの注意点も存在します。本記事では、トンネルフリーザーのメリットを説明するとともに、導入する前に気を付けておきたい基本的な注意点について紹介していきます。

エアブラスト冷凍機の中でも大量生産に適したタイプ

トンネルフリーザーの特徴は、コンベアで運搬する食品を連続して冷凍できることです。
 
冷凍する度ごとに、パン(トレー)を入れ替えなければならないバッチ式のエアブラスト冷凍機に比べ、入れ替えのための待機時間がなく、食品の配置によって風の当たり方にむらが少ないため、品質管理が行いやすいことが特徴です。
 
機体は大型のものが多いため、同じ商品を大量に生産する大・中規模の食品工場で使われることがほとんどです。
 
バラ凍結が必要な生産工場では、食品を風の力で噴き上げたり、食品を振動させたりしてバラバラに冷凍するIQF機能がトンネルフリーザーに搭載されていることがあります。

 
 

大型の急速冷凍機ならではの取り扱いの注意点

トンネルフリーザーを導入すると、冷凍品の生産能力は飛躍的に向上しますが、大型機械を扱う場合ならではのトラブルも発生しがちです。
 

機械トラブルが起これば、大量の食品ロスが発生する

まず、機械トラブルが起きてしまうと、大量の食品ロスが出てしまう点です。
トンネルフリーザーを稼働させるためには、その前段階での大量の食品生産が欠かせません。しかし、大量に冷凍用の食品を調理してしまうと、ひとたびトンネルフリーザーに不具合があった場合は、調理した食品を冷凍できず、品質が劣化してしまうため、ロスになってしまいます。
トンネルフリーザーは大型機械のため、どこかに一つでも不具合が起きると、機械全体に影響が及び、動作を止めることになります。
こうした機械不良による生産時のロスを防ぐために、バックアップを行う予備の冷凍設備を用意しておくか、日頃から細かくメンテナンスをする必要があります。
 

霜の発生に注意

トンネルフリーザーは機体内で大量の空気を冷やすため、トンネルフリーザーの冷媒を気化させて温度を下げる蒸発器の周辺に、霜が付きやすくなってしまいます。
霜が蒸発器の周りに付いてしまうとトンネルフリーザーの風の流れが弱くなり、食品を冷凍する性能が低下してしまいます。
このため、トンネルフリーザーの運転に際しては、霜取りである「デフロスト」を定期的に行わなければなりません。
 

商品の切り替え時のベルト洗浄が必要

トンネルフリーザーはパン(トレー)を出し入れするバッチ式冷凍機に比較して、庫内の清掃に手間がかかります。
特に大変なのがコンベアの洗浄で、冷凍する商品を切り替える際には、運転を一度止めて洗浄しなければなりません。ただし、商品を包装したうえでコンベアに載せて冷凍している場合は、この手間を省くことができます。
 
また、1日の稼働が終わった際には、衛生管理のため冷凍機全体を洗浄・清掃する必要があります。大型で内部構造も複雑であることから、数時間は洗浄作業にあてることを見積もっておくべきでしょう。
トンネルフリーザーの洗浄性については、機械メーカーが工夫をこらしてさまざまな機能を搭載しています。自社の生産状況や課題に合った機能かを確認してみるとよいでしょう。
 

冷凍機のクセを知って調整する必要がある

トンネルフリーザーは、食品を置く位置で風が当たる強さが違うバッチ式冷凍機に比べて、むらが出にくいことが特徴です。
しかし、一つひとつの商品を冷凍する際に、風の吹き出し口のノズルの方向などによってどうしてもクセは出てしまいます。たとえば、商品の端のほうには風が当たりにくく、冷凍が不十分になってしまうような場合があります。
トンネルフリーザーの場合は、商品すべてに等しくこのクセが反映されてしまいますので、試作の段階でクセを把握した場合は、機械メーカーとノズルの位置を調整したり、商品を置く位置を調整したりしたうえで、品質管理を行いましょう。

 
 

注意点を把握したうえで、生産性向上に活用しよう

注意点は細かくありますが、トンネルフリーザーは適切に活用すれば短時間で大量の冷凍品が生産できる設備です。
商品の需要が高まった際には、設置に必要な場所、人員、作業時間を確保したうえで、トンネルフリーザーをうまく活用して生産の効率化をはかりましょう。

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