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高い?安い?急速冷凍機のランニングコストの目安

急速冷凍機を購入する際に気にすべきは、実際に生産を始めてからのランニングコストです。急速冷凍機は大量の電力を使うので、稼働してからどれほどのコストが発生するかを必ず確認するようにしましょう。本記事では、エアブラスト、ブライン、液体窒素冷凍機のランニングコストについて考えるうえでの、基本的な着眼点を紹介します。

エアブラストとブライン、どちらのランニングコストが安い?

エアブラスト冷凍機とブライン冷凍機のランニングコストを比べることは難しいことです。
なぜなら、メーカーの制作仕様によって用いている機材が違うため、電気出力等に違いが出てしまうため、一概に「こちらの方がランニングコストが安い」と言うことができないのです。
基本的には使用環境に沿ったランニングコストの目安について、メーカーの担当者から説明を受けることが必要でしょう。
 
その前提はありますが、ここでは、エアブラストとブラインの大まかな仕組みをもとに、ランニングコストの考え方を示し、比較していきます。

 
 

機種の違いよりも、冷やす食材の量や温度、速度が重要

実は、同じ温度設定で同程度の容量を冷凍できるエアブラスト冷凍機とブライン冷凍機では、電気使用量はさほど変わりません。
 
食品を冷凍する際の電力に影響するのは、食品から熱を奪う工程です。急速冷凍機に入れられる食品の量や温度がどれくらいか、その食品をどれくらいの速さで冷やすのかによって、庫内を冷やす力が変わり、それに応じて電力が消費されます。
 
エアブラスト冷凍機はブロアー(送風機)で風を送ることで庫内空気の循環を多く行わなければなりません。これには、ブライン液をゆっくり循環させるブライン冷凍機と比較して、電気を多く使用します。
ただし、ブライン冷凍機はブライン液を冷却する時間の電気が余分に必要になったり、アルコールを入れ替えたりするなどメンテナンスに必要な費用があります。エアブラストの電気代はそれと相殺される程度です。
 
ブライン冷凍機は連続使用しない場合、その度ごとにブライン液を冷却しなければならないため、電気を多く使用します。凍結と凍結のあいだに時間をおいて使用することを想定している場合は電気代に注意しましょう。

 
 

温度調節が可能な機種には注意

電気代の面で注意すべき点があるとすれば、温度調節が可能な冷凍機についてです。
エアブラスト冷凍機にはある程度温度設定を変えられるものがありますが、通常使う温度帯よりも低い温度設定があるものを購入する場合は注意が必要です。
エアブラスト冷凍機は、特定の温度帯の条件で冷凍サイクルの効率が最もよくなるように設計されています。そのため、その温度設定以外で使用すると機械に負荷がかかり、電気を多く使用してしまいます。
 
一般的に、温度調節機能がついている急速冷凍機は、さまざまな食品の冷凍テストなどに用いられるために製造されており、生産用としては使うことは想定されていません。
生産する商品の種類や品質が既に決まっている場合は、温度設定が一つのものを選ぶとよいでしょう。
 
ただし、機種によっては上記とは違う方法で温度調節を行っている場合があるので、温度調節機能付きの急速冷凍機を購入したい場合は、メーカーに詳細を確認してみることをおすすめします。

 
 

エアブラスト、ブライン冷凍機以外の急速冷凍機のコストは?

液体窒素冷凍機を食品の冷凍に使用する場合は、冷凍に使用する液体窒素のコストが、エアブラスト冷凍機やブライン冷凍機と比較して高価である点に注意が必要です。
 
バッチ式冷凍機を使った少量生産を行うと、コストが高くなりがちです。よほど品質にこだわる高級品でなければ、液体窒素を使った少量生産については、ランニングコストの面からはおすすめできません。
 
一方、トンネルフリーザー等を使って大量生産をするとコストが抑えられる傾向にあります。
液体窒素の価格のうち、大きな割合を占めるのが輸送費です。
そのため、大量に液体窒素を購入するとスケールメリットが働いて、購入コストを下げられる場合があるのです。

 
 

コストの基礎を知ったうえで、必要な事項をメーカーに確認しよう

急速冷凍機のランニングコストについては、上記のような基礎的な考え方で大まかに想像はできるものの、実際は急速冷凍機それぞれの仕様によりさまざまです。
 
購入を検討する際には、本記事で説明したような基本的な考え方を知ったうえで、電力消費やコストについて各メーカーがどのような対処を冷凍機に行っているかを確認していくべきでしょう。
 
ランニングコストが想定よりも発生すると、商品の原価が上がってしまい、せっかく購入した急速冷凍機が無駄になってしまうこともあります。
事前に確認をすることで、生産が始まってからの想定外のコストの発生を防止するようにしましょう。

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