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冷凍機の取り扱いに注意! 急速冷凍工程のよくある失敗

バッチ式エアブラストの場合:冷風を遮っていないか注意!


扉のついた冷凍庫内に食品を出し入れして急速冷凍を行うバッチ式エアブラスト冷凍機を使う場合には、食品を冷却する風を遮っていないか注意しましょう。食品を詰めすぎた状態で冷凍機に入れたり、段ボールに梱包した状態でまとめて冷凍機に入れたりしてはいけません。

エアブラスト冷凍機で食品を冷凍する際に重要なのは、風を食品に当てることです。
食品に強い風が当たれば当たるほど、食品から熱を奪う効率は上がります。逆に、風を遮ってしまうと熱を奪う効率は著しく下がってしまいます。

冷風を遮っている場合は、食品が緩慢冷凍になりやすいほか、冷凍スピードが落ちることで生産スピードも落ちてしまいます。手間はかかりますが、風をさえぎらないように食品一つひとつを並べたほうが、品質を保ち、効率のよい生産を行うことができます。

また、エアブラスト冷凍機内の風の流れは均一ではありません。風が当たりやすい部分と当たりにくい部分があるため、冷凍が完了した製品の品温を測定しながら、配置を工夫して商品の品質を保つようにしましょう。

これはバッチ式のエアブラスト冷凍機に限らず、トンネルフリーザーでも起こり得ることです。トンネルフリーザーの場合は機械それぞれに風の当て方の特性があり、すべての商品にその特性が反映されます。品質に影響がある場合は、機械の特性を把握し、うまく調整する必要があります。

風の当たり方について自身で判断することが難しければ、生産工程について専門家の検証と助言を受けることで、調整をするとよいでしょう。

バッチ式エアブラストの場合:商品の入れ替え時の品質劣化に注意!


冷凍庫内の商品を入れ替えて冷凍するバッチ式エアブラストの場合、冷凍前に常温で商品をパン(トレー)に並べる、商品を入れ替えるために商品を待機させる、入れ替えのために商品を動かすなどの際に商品の品質が劣化していないか注意する必要があります。

たとえば、スパイスの香りがポイントとなるカレーを冷凍する場合、調理直後には十分だった香りが、冷凍までの時間に失われてしまうことがあります。パンに並べたり、冷却をしている間にスパイスの香りが消えないように、冷凍を行うまでの冷却工程を速くしたり、少量ずつ冷凍することで、調理直後から冷凍完了までの時間を少なくする必要があるでしょう。

乾燥しやすい点心類やスイーツを冷凍する際も、パンに並べている間にクリームやスポンジから水分が失われてしまうことがあります。この場合も、少量ずつ冷凍したり、待機中の乾燥対策を行ったりすることで、食品のおいしさが損なわれないように工夫する必要があります。

また、貝類など魚介類に注水して冷凍する場合も、殻の形が一定ではないために殻から水がこぼれてしまったり、並べているうちに貝の口が開いてしまったりすることがあります。この場合もやはり、出し入れの際に発生するトラブルを見すえたうえで、冷凍する量や冷凍前の対処を行う必要があるでしょう。

エアブラスト・ブラインの場合:梱包材のピンホールに注意


食品を梱包してからエアブラスト冷凍機で冷凍する場合や、パウチ等の処理をしてブライン冷凍機で冷凍する場合は、梱包材に小さな穴(ピンホール)が空いていないか注意が必要です。

穴が空いていると異物が混入するおそれがあるうえ、特にブライン冷凍機の場合は、ブライン液が商品内に侵入し、食品が台無しになってしまいます。特にパウチ加工をする場合は、接着の際に隙間ができやすかったり、食材の凹凸が鋭いものはパウチに穴が空きやすかったりするので注意しましょう。

梱包材に穴が空いていて商品に異物が混入した場合は、大規模な商品回収(リコール)につながってしまいます。
製造のなかで穴が空きやすい工程がないか、商品の梱包状況が適切か、確認する必要があるでしょう。

冷凍工程の失敗をなくすには、冷凍機をよく知ることが必要


冷凍品を製造する際の失敗をなくすには、導入した冷凍機や食品加工工程の特性をよく知る必要があります。冷凍のプロセスに入る前に、冷凍したい食品には熱が伝わりやすいか、伝わりにくいか、冷凍する前に食品を包装できるのか否か、包装したパッケージ内の空気を抜けるのか否かなどに注意して準備しましょう。

その後、導入した冷凍機で冷凍する場合はどのようなプロセスが必要で何に気を付ければいか、冷凍した後にどんな事が起こる恐れがあるかについてよく考えたうえで適切に対応するようにしましょう。