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なぜブライン冷凍機は液体に漬けると急速冷凍できるのか?

ブライン冷凍機は、マイナス温度でも凍らないブライン液に漬けこんで食品を冷凍しますが、なぜこの方法で急速冷凍できるのでしょうか。本記事では、液体ならではの特性を活かし食品からの熱を奪う方法について説明するとともに、さまざまな種類があるブライン液の特徴についても解説していきます。

液体の密着性と熱伝達の良さを活かして急速冷凍

ブライン冷凍機が急速冷凍を行える理由は、液体ならではの特徴を活かして食品の熱を奪うことができるからです。
 
食品は、品温が下がる際にその表面から熱を放出します。そのため、広い表面積から熱を放出できたほうがより速く品温を下げることができます。
液体に漬け込む場合は、食品の表面にまんべんなく熱伝達のよい液体が密着しているため、すべての表面から効率よく熱を奪うことができ、急速に冷凍を行うことができるのです。
 
また、多くのブライン冷凍機には液体を循環させる機能がついています。この機能で液体に流れを発生することができれば、より速く食品を冷凍させることができます。
食品の表面から熱を奪う効率を上げるためには、熱伝達係数(熱の伝わりやすさ)を上げる必要があります。
このために、空気を使う場合は風を起こしますが、液体の場合は流れを発生させることで熱伝達係数を上げます。
 
このように、ブライン冷凍機は液体の特性である密着性、液体自体の熱伝導のよさ、流れによる熱伝達係数の上昇という3つの特性を活用して急速冷凍を行っているのです。

 
 

ブライン冷凍機に入れる液体の違いで何が変わる?

ブライン冷凍機には、冷凍する食品に合わせてさまざまなブライン溶液が使われています。
その種類は塩水、アルコール、エチレングリコール、塩化カルシウムなどさまざまですが、使う液体によって大きく変わる点は、ブラインの温度です。
 
塩水は通常マイナス18℃くらいの温度設定になっています。塩水はマイナス21℃が共晶点であり、その温度に到達すると塩が液体中で固まってしまうため、マイナス20℃までしか温度を下げることができません。
 
アルコールはその濃度によって下げられる温度が変わりますが、温度が低くなると溶液に粘性が出てしまうので、マイナス40℃からマイナス30℃程度の温度設定となっている場合ほとんどです。
ブライン冷凍機のブライン溶液をマイナス40℃以下に設定するのは大変難しいため、大半の機種はマイナス40℃以上の温度設定になっています。

 
 

ブライン溶液の選択は食品の特性に合わせてさまざま

ブライン溶液にはさまざまな種類があるため、冷凍する食品の特性に合わせて溶液を選択するとよいでしょう。
 
漁船に搭載されている大型ブライン冷凍機には、獲った魚を包装なしでそのまま漬け込めるように塩水ブラインが用いられていることがほとんどです。
 
また、ブラインで食品を冷凍するため、万一パウチや包装が破損して液体がパッケージ内に入っても、食品を食べた人体に影響がないようにエタノールや塩化カルシウムを使用している場合もあるようです。
 
加えて、ブライン溶液はその種類によって価格もさまざまであることから、使用する量に適した価格のものを選択するとよいでしょう。

 
 

ブライン冷凍機の急速凍結の仕組みを知って正しく使おう

ブライン冷凍機の特性を把握し、急速冷凍を行う仕組みを知ることで、食品を冷凍加工する際のトラブルに正しく対処することができます。
 
たとえば、食品が冷凍されるまでの時間が長くかかってしまう場合は、厚い食材を冷凍しようとして食品の表面積が小さくなっていないかを確認したり、冷凍機内のブラインの流れが食品の入れすぎや、食品の重なりにより滞っていないかを確認したりすれば、トラブルは正しく解消することができます。
 
「なぜ急速冷凍ができるのか」を知ることは、冷凍機の特性を正しく把握し、適切に冷凍機を扱うことにつながります。
冷凍機を正しく使うことで、品質のよい商品を効率よく生産できる体制を整えましょう。

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