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急速冷凍できる? 冷凍ストッカーと冷凍機は何が違うのか

冷凍ストッカーと冷凍機はどちらも業務用の冷凍機材で、冷凍品の製造現場にあると大変便利なもの。冷凍庫内の温度を下げるという点は共通するこの2つはどう違うのでしょうか。本記事では、それぞれの特徴から用途の違いを説明し、どちらが急速冷凍に適しているか、それぞれをどう使いこなすべきかを紹介します。

冷凍庫内の空気を冷やすストッカー

冷凍ストッカーは冷凍庫内の空気を冷やす機能を持っています。空気全体の温度を下げることで、庫内の食品の温度を下げた状態に保つための機械です。
 
冷凍ストッカーの中に食品を入れると、冷たい空気に合わせて食品の温度も下がり、最終的に冷凍状態になりますが、その冷凍スピードは遅く、急速冷凍はできません。
 
冷凍ストッカーは機種ごとに温度設定がなされており、多くのものは家庭用冷凍庫と同じマイナス20℃前後に設定されています。
低い温度設定のものは、マイナス80℃からマイナス30℃までさまざまで、一つの冷凍ストッカーで温度を変えられるものもあります。
 
冷凍品は、それぞれの特性や維持すべき品質によって冷凍保管の最適温度が違います。マイナス20℃以下の冷凍ストッカーはその目的に合わせて温度を選択し、使い分けられているのです。

 
 

風や液体で食品の熱を奪う冷凍機

冷凍機は冷凍庫内に入った食品に超低温の風や液体、金属をあてることで、食品から熱を奪う機能を持っています。食品の熱を奪いやすい冷気や液体を食品にあてることで、速く食品から熱を奪い、品温を下げる機能に特化した機械です。
 
エアブラスト冷凍機と呼ばれる機種は、低温の冷風を食品に吹き付けることで熱を奪います。ブライン冷凍機と呼ばれる機種は、ブライン水槽内の液体に食品を漬けることで熱を奪います。
コンタクト冷凍機と呼ばれる機種は、食品に冷やした金属板を押し付けることで熱を奪います。液化ガス冷凍機と呼ばれる機種は、超低温の液体窒素や液化炭酸ガスを食品に吹きかけることで熱を奪います。
 
それぞれ、低温の環境を作るだけでなく、風、液体と流速、金属など、熱伝導率のよいものを食品に接触させ、急速に食品から熱を奪って凍結するための工夫がなされています。
 
そのぶん、機械を起動するために大きな電力を必要とするため、常時起動させて冷凍保管をすることには向いていません。あくまで食品を急速冷凍するために使います。

 
 

正しい使い方は、冷凍機で急速冷凍してから冷凍ストッカーで保存

ここまで説明してきたように、冷凍ストッカーと冷凍機は、それぞれ使う場面が違います。
それぞれの機能に応じて使い分けましょう。
 
食品を急速冷凍したうえで冷凍保管したい場合は、冷凍機で急速冷凍したうえで、冷凍ストッカーに移し替え、冷凍保管するというのが正しい順序です。
冷凍機と冷凍ストッカーは冷凍方法や温度設定によってさまざまな機種がありますが、食品の特性に合ったものを選びましょう。
 
たとえば、舌触りがなめらかな高級アイスクリームを製造する場合は、アイスクリーム内にできる氷結晶を小さくする必要があるため、超低温のエアブラスト冷凍機もしくは液化ガス冷凍機を使って急速冷凍を行います。
また、冷凍時に小さくした氷結晶は高い温度で保管すると保管中に大きくなってしまうため、マイナス25℃以下の冷凍ストッカーで保管されます。冷凍ストッカーは開け閉めなどにより温度が上がってしまうことが多いため、基準より低い温度設定のものを選ぶのが通常です。

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