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過冷却

過冷却(かれいきゃく)とは、液体や食品を静かにゆっくり冷却することで氷の核の発生を妨げ、液体が固体になる温度である凝固点より低い温度になっても、その水分が凍らずに液体のままである現象を指します。
 
液体が固体になるには、凝固点以下の温度となり、かつ、氷の核がなければなりません。
静かにゆっくり均一に冷却すると氷の核ができにくいため、凝固点以下になっても凍らずに液体のままになります。
しかし、この状態は非常に不安定な状態であり、振動などの刺激を与えると急速に凍結します。
 
たとえば、水の凝固点は0℃ですが、静かにゆっくりと冷却することで、マイナス10℃の過冷却水を作ることもできます。
食品における過冷却は、通常凝固点から数℃以内で解消されますが、溶液などでは10数℃の過冷却になることもあります。
 
食品に過冷却が起きている場合は、食品中の水分は凝固点になってもすぐに氷になりません。過冷却が解消すると、急速に氷結晶が発生し、小さな氷結晶が食品内に均一に生成されます。
過冷却解消温度は低いほど、氷結晶のサイズが小さくなることが明らかになっています。
 
まれに、緩慢冷凍を行った際に氷結晶が小さくなり、食品のダメージが少なくなっている場合がありますが、その場合は過冷却が起こっている可能性があります。

 
 
【参照】
小林りか・兼坂尚宏・渡辺学・鈴木徹(2012)「食品凍結時の過冷却現象が氷結晶の形態およびドリップロスに及ぼす影響」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjsrae/advpub/0/advpub_14-25_OA/_pdf)
国立大学法人東京海洋大学食品冷凍学 鈴木徹研究室「過冷却が凍結食品の品質に及ぼす影響」(http://www2.kaiyodai.ac.jp/~toru/websuzuki/suzuki_research03_04.html#Research Theme 1)
公益社団法人日本冷凍空調学会「過冷却水」(http://www.jsrae.or.jp/annai/yougo/48.html)