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凍結濃縮

凍結濃縮(とうけつのうしゅく)とは、食品が冷凍される過程で、食品の水分と物質が分離し、物質のほうの濃度が高まる現象のことです。
 
食材を冷凍するときには、組織内の水分子が集まって結合し、氷結晶になります。
一般的に食品内では水に溶け込んでいる物質は氷結晶に取り込まれないので、水と物質が分離していきます。そのため、物質が含まれる側の溶液の濃度が高まっていくのです。
 
一般的に、冷凍による濃縮は、果汁を含む飲料の濃縮還元で使用されます。
濃縮後の果汁飲料は容積が小さくなるので、空気に触れる面積が小さくなり、酸化による栄養素の減少を防ぐことができます。そのため、従来の果汁飲料よりも長期の保存が可能になるのです。
また、長期間の保存により広い範囲に産品を提供できるほか、容積を小さくすることで運搬コストを低減させることもできます。
 
凍結濃縮には煮沸やろ過をはじめとする他の濃縮方法と比べて、高濃度の濃縮が可能であったり、香りを残すことができたり、熱に弱い成分を保つことができたりと、メリットが多くあります。
 
加工コストがかかるため、高付加価値の製品向けの濃縮方法ともいえます。
ただし、最近では低コストで濃縮をする手法の開発も行われています。この技術は「界面前進凍結濃縮」と呼ばれます。

 
 
【参照】
脇坂港・向井義人「凍結濃縮技術とその最近の動向」要約
(http://www.jsrae.or.jp/ron/summary/vol.18-4/18-4-r365.html)
東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻熱物理工学分野 大河研究室「凍結濃縮」(http://www.mech.titech.ac.jp/~netsus/concen-j.pdf)