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高品質で日持ちする、冷凍食品の温度管理・加工・包装方法

食品をおいしい状態で冷凍・解凍し、消費者の元へ届けるためにはさまざまな方法がありますが、その中で見落とされがちな工程が冷凍食品の温度管理・加工・包装方法です。これらに失敗すると、食品に冷凍焼けや乾燥が起こってしまいます。本記事では、食品の品質劣化を防ぐための適切な温度管理・加工・包装方法のポイントについて解説します。

多くの冷凍食品は、梱包・配送が原因で品質が劣化している

「冷凍食品や冷凍品は保冷剤を入れて冷凍便で発送すれば問題ない」。そう思ってはいないでしょうか。
また、「取り寄せた冷凍食品や冷凍品の味がいまひとつに感じる」そんな経験はないでしょうか。
冷凍された食品は、いまやスーパーをはじめとする小売店だけでなく、通販でも気軽に購入できるようになりました。
しかし、冷凍した食品を適切ではない方法で梱包・配送されると、生産時よりも品質が落ちてしまいます。
 
以下では、食品が適切に梱包・輸送され、品質を保てる状態になっているかを確認するための「包装」「温度」「加工状態」に着目し、解説していきます。

 
 

食品は空気にふれない状態で梱包する

まず、着目すべきは食品の梱包状態です。食品の可食部分(食べられるところ)が空気と触れ合わないように、しっかり食品に密着した形で包装されているかを確認しましょう。
食品と袋の間に空間があったり、保冷剤が入っている袋の中に食品をむき出しで詰めたりすると、食品は大変乾燥しやすくなります。
食品と梱包の中の空気が直に触れた状態で、周囲の温度が変動すると、食品中から空気中に水分が昇華します。
空気中に昇華した水分は、パッケージ内が冷えると霜になるため、もし商品が霜だらけになっていれば、その食品は乾燥してしまっているという証です。
 
また、水分が昇華すると、乾燥した状態の食品は空気と化学反応しやすくなり、食品の酸化も進みやすくなってしまいます。
嫌な臭いがしたり、味の変化が起こったりするいわゆる「冷凍焼け」は、乾燥がきっかけになることが大半です。
 
食品の乾燥を防ぐためには、食品を空気に触れさせないようにぴったりとした密着包装とすることが有効です。
ほかにも、周囲を調味液で満たして冷凍したり、魚介類であれば、周囲に水を注ぎ、そのまま凍らせたりすることで乾燥を防いでもよいでしょう。

 
 

食品の周囲の温度の変化を防ぐ

加えて、食品を冷凍庫から取り出して常温の状態で運んだり、冷凍庫内の温度が上下したりすると、食品の水分の昇華がより一層進んでしまいます。
 
食品の温度と冷凍庫内の温度が一定の場合は、食品内の水分が水蒸気になる圧力が等しく、水分が昇華しにくい状態です。
それが、周囲の温度が上がり、食品の品温も上がってしまうと、その後冷凍庫内が冷やされた際に、周囲の温度よりも食品の品温の方が高い状態になってしまいます。食品の温度は周囲の空気よりも遅れて下がるので、食品の水蒸気圧が高い方から低いほうへ水蒸気が発生してしまい、食品から水分が蒸発してしまうのです。

 
このため、食品の周囲の温度はできる限り変動させないようにすることが大切です。
冷凍した後で周囲を保冷剤で包んで温度変動を少なくしたり、食品を運搬する際にパッケージを常温にさらしたりしないようにすることが必要です。梱包した箱を断熱仕様にし、多めに保冷剤を詰めることも効果的でしょう。
 
また、食品の温度がマイナス5℃以上に上がると、冷凍時にできた食品の氷結晶が大きくなりやすいため、低温状態を維持することが必要です。

 
 

長期保存をみすえた流通をする場合は、塩や調味液で加工を

食品を凍結すると、食品内に氷結晶が発生します。家庭用や一般業務用で用いられているマイナス20℃程度の環境では、氷結晶は徐々に大きくなってしまいます。
氷結晶が大きくなると、食品の組織にダメージを与えやすく、繊細な食感の食品の舌触りが悪くなったり、ドリップが出やすくなったりします。
 
加えて、マイナス20℃程度の温度帯の冷凍庫で長期保存をしていると、どんなに良好な状態で保管していても、食品の酸化や組織の変性はゆっくり進んでしまいます。
 
これらを和らげるためには、塩や調味液で食材を味付けし、塩分や糖分に水分をひきつけることが有効です。
水分をひきつけることで氷結晶の粗大化を妨げることができ、塩分や糖分を食品内に染み込ませることで、酸化などの組織の変化を起こりにくくすることができます。

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