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うどん・そば・ラーメン・パスタ・麺の冷凍・解凍・保存方法

茹でたての食感に戻しやすい麺類


業務用や消費者への販売用に麺類を冷凍することは、とても効果的です。麺類はその性質から、食品のなかでも冷凍に適した食材といえるからです。

麺の主な成分であるデンプンは、冷ましたり冷凍したりする過程で「老化」という現象が起こり、もちもち、ふっくらした食感が失われますが、再び加熱を行うことで「糊化」という現象が起こり、茹でたての食感を再現できます。

茹で麺を冷凍するポイント


一度茹でたうどん、ラーメン、やきそば、パスタなど、麺のみを冷凍する場合は、軽く麺の水分を切った後に玉状に丸め、エアブラスト冷凍機で冷気をあてて冷凍することが一般的です。

調理の際にお湯やレンジで加熱すると元の状態よりも若干やわらかくなったり、硬くなったりする傾向にありますので、麺の製造時に、冷凍麺用にデンプンの配合を変えたり、小麦以外のものを加えるなどしてコシを調整するとよいでしょう。

冷麺、そうめん、冷たいそば等も、解凍の際に一度加熱することが美味しさを維持するためのポイントです。流水解凍では麺のおいしさが戻りづらいので、短時間加熱した後に水で締めるなどの調理法の指示が必要です。

茹で麺で注意すべき点は、冷凍後の流通・保存工程での乾燥です。パッケージの密封性が悪かったり、パッケージに空気が多く含まれていたり、また、外気の温度変化が大きかったりすると、食品から水分が抜け乾燥しやすくなるので、注意しましょう。

調理麺を冷凍するポイント


調理麺の冷凍のポイントは、汁物かソースをからめたものかで大きく違います。鍋焼きうどんやスープスパゲティ、ラーメンのように汁気を多く含む食品は、麺類とスープ類を分けて冷凍しましょう。

汁に浸したまま一緒に冷凍すると、解凍時に麺まで熱が届きにくくなってしまい、全体の温度上昇がゆるやかになってしまいます。その加熱過程で麺が水分を吸いすぎて、コシがなくなってしまうのです。
 
ソースパスタや焼うどん、汁なし担々麺のように、少量のソースと麺をからめた食材は、麺とソースに熱が届きやすいため、調理した状態で冷凍させても問題ありません。

執筆・監修

鈴木徹

冷凍科学技術

冷凍の研究者として圧倒的な実績と知見を持つ研究者。研究だけにとどまらず、企業向けのコンサルテイングや行政に対するアドバイザリーなど実績多数。