アンモニア

アンモニアとは、分子式がNH3で表される無機化合物です。常温常圧では無色の気体で、特有の強い刺激臭があります。水によく溶けるため、アンモニア水溶液として多用されます。
 
アンモニアは自然界に元々存在する物質で、自然冷媒の一つです。ほかにも、自然冷媒には水、二酸化炭素、炭化水素、空気などがあります。
 
環境省などにより、自然冷媒はオゾン層の破壊と地球温暖化をもたらすフロンガスの代替であり、地球環境に配慮した冷凍装置の冷媒として、自然冷媒冷凍・冷蔵・空調機器の導入が推奨されています。
 
アンモニア冷媒は広範囲の温度帯に対応でき、マイナス60℃までの冷却が可能です。さらに単位動力あたりに得られる熱量が高いという利点があります。一方で、毒性・引火性があるため取り扱いには注意が必要です。
 
地震災害などの緊急時や地域環境への対応として、最小の冷媒充填と、万一漏れた場合には大量の水を散布してアンモニアを吸収するための水槽の設置する措置、またはアンモニアガスを散布水に吸収置換させるスクラバ方式の装置の設置が求められます。

 
 
【参照】
環境省 「自然冷媒冷凍・冷蔵・空調機器の導入支援」(http://www.env.go.jp/earth/ozone/hojokin.html)
『新版 食品冷凍技術』（社団法人日本冷凍空調学会、2009）
一般社団法人世界自然冷媒協会「自然冷媒とは」（http://wnra.or.jp/reibai/）