プロフィール
現職:東京海洋大学産学・地域連携推進機構特任教授。
経歴:東京水産大学(現・東京海洋大学)食品工学専攻修士修了。日本酸素株式会社(現・大陽日酸株式会社)で冷凍食品研究開発および低温利用機器・システムの研究開発に従事。東京大学大学院農学研究科農芸化学専攻博士課程(食品工学研究室)中退。東京水産大学(現 ・東京海洋大学)水産学部助手を経て2004年から教授。2019年3月に同退職後、現職に至る。
セミナーテーマ例
冷凍についてのサイエンスの基礎
おいしく食べるための冷凍・解凍方法
メディア出演・監修協力
テレビ東京「なないろ日和!」冷凍で美味しさ&栄養UP!特集
テレビ東京「ソレダメ!」クーラーボックスでの飲み物の冷やし方
ベトナム国営放送「物づくり」冷凍鮨開発、日本の冷凍技術の紹介
日本テレビ「ネクストブレイク」冷凍鮨開発の紹介
著作・監修物
【監修】『冷凍保存レシピBOOK』(朝日新聞出版、2017)
【監修】『味つけ冷凍ですぐにおいしい作りおき』(PHP研究所、2017)
【監修】『冷凍博士の冷凍・解凍便利帳』(PHP研究所、2011)
【監修】『おいしい!冷凍保存レシピ』(高橋書店、2010)
提供アドバイス・専門分野
・食品冷凍の科学的知見に基づいたアドバイス(凍結濃縮、凍結乾燥など応用領域も含む)
・冷凍技術の科学的根拠の解説
・冷凍の基礎・応用をテーマにした講演
・冷凍商品開発の監修 ほか
専門家Q&A
Q.どんな相談を受けることが多いですか
A.食材一つひとつに合わせた凍結・解凍・保存方法のアドバイスや、冷凍技術を活用した商品の商品開発のご相談をよく受けます。ほかにも、食品メーカーが凍結装置を選定したり、解凍装置を製造・購入したりする際にアドバイスを求められることもあります。
冷凍の応用分野であるフリーズドライに関する相談も多いですね。特定の商品をフリーズドライにする際に風味が失われたり、色が悪くなったりと問題が発生し、ご相談いただくこともあります。
ほかにも食品を冷凍した前後の成分調査や品質の評価方法についてアドバイスがほしいというご要望や、食品冷凍についてのトレンドをレクチャーしてほしいというご要望、冷凍した前後の食品組織を顕微鏡で拡大した写真を撮影してほしいというご要望もあります。
Q.冷凍業界についてどんな問題意識を持たれていますか
A.冷凍食品や冷凍品の生産現場では、現在技術が高度化し、高品質の商品を生産することが可能になっていますが、消費の現場では冷凍の地位があまり高いとはいえません。
多くの消費者にはまだ「冷凍食品や冷凍品は安く、おいしくないもの」という先入観があり、生産品質とイメージにはギャップが存在します。冷凍食品や冷凍品の価値が正しく認識されていない現状について情報発信を通じて変えていきたいと思っています。
また、冷凍食品や冷凍品の流通の点では、メーカーと物流・販売現場の意識に温度差があることが気にかかっています。生産時点の品質を消費の現場まで維持できるよう、適切なコールドチェーンが整備されるべきだと考えています。
Q.近年どんな研究に取り組まれていますか
A.冷凍によってダメージを受けやすい野菜や果物の冷凍ダメージの低減に取り組んでいます。ほかにも乳酸菌の冷凍耐性に関する研究や、これまで冷凍ができないと思われていたウニの冷凍・解凍など、幅広いテーマに取り組んでいます。
詳細については研究室のホームページをご覧ください。
http://www2.kaiyodai.ac.jp/~mwat/websuzuki/index.html
Q.商品の化学検査等を依頼することはできますか
A.化学検査のご相談を受けた場合は、お話を伺ったうえで、大学で対応するか、外部に委託すべきかを判断します。外部に委託する場合は、内容に合わせて適切な検査機関をご紹介しています。
Q.食品冷凍における近年新しい発見等はありますか
A.近年の研究成果により、生ウニの冷凍・解凍ができるようになったり、マンゴーを半割の状態で冷凍・解凍ができるようになったりしました。
また現在は、冷凍した握り鮨をまるで職人が握ったもののように「ネタはひんやり、シャリは人肌」の状態に解凍できる専用解凍レンジの開発を行っています。まだ1貫ずつしか解凍できませんが、ゆくゆくは一度に数貫を解凍できる装置を製造したいと思っています。