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冷凍技術についての相談前に準備してほしいこと

冷凍技術を活かして新しい事業を始めたいと思ったとき。自社の商品を冷凍して新しい販路を開拓したり、商品の付加価値を上げたりしたいとき。何を事前に準備したうえで専門家に相談するべきでしょうか。本記事では冷凍食品メーカーや生産者から日々相談を受けている冷凍学のエキスパート、東京海洋大学教授・鈴木徹氏に、専門家から効果的なアドバイスを受けるための情報収集や依頼内容の整理方法について伺いました。

結果がでる依頼、途中で断ち消えになってしまう依頼

食品の生産者や食品メーカーの皆さんの冷凍技術への期待は大きく、私のもとには日々さまざまな依頼が寄せられます。
その依頼のなかには、少しのアドバイスであっという間に結論にたどり着き、大きな成果が得られるものと、何度打ち合わせをしても次の段階が見えず、途中で断念したり、数年かかっても結果がでなかったりするものがあります。
 
あくまで所感ではありますが、本記事では専門家に相談をしたいと思っている方が早く成果を得るために、相談の前にやっておくとよい作業について紹介していきます。

 
 

思いついたアイデアの類似商品を探す

私に相談をされる方の多くは、普段の業務で得た発見やアイデアをもとに「これは冷凍できますか?」とおっしゃる方が大半です。
 
しかし、お話を伺ってみるとすでに類似商品がたくさんあったり、類似商品はあるものの普及していなかったりして、開発の手前の段階で何かしらの問題を抱えるアイデアも少なくありません。
 
こうなってしまうと、一度案件をお返しし、一度調査をしてアイデアや企画の実現性を再度検討していただくことになります。一部のご相談はこの段階で断ち消えになることもあり、せっかく足を運んでいただいたことが申し訳なく感じることもあります。
 
ぜひアイデアを思いつかれたら、インターネットなどで類似商品がないか探してみましょう。また、スーパー等に商品がない場合も、業務用の商品であれば豊富に揃っていることもあります。業務用のものしかない商品は何らかの理由であまり市販されていないことが多いので、その理由を検証してみると、商品開発後の展望も立てやすくなります。

 
 

設備があれば試作してみる

本格的な生産設備をお持ちであれば、一度試作してみるとよいでしょう。その中でうまくいった点、うまくいかなかった点を整理していただき、どうしたいかを伝えていただければ、答えを出すのは比較的簡単になります。
 
違う冷凍機を購入すれば対応できるのか、もしくは新たに冷凍機を開発することが必要なのかをお伝えしたうえで、冷凍機購入や開発のための予算繰りが可能かどうかを検討していただく段階に入ることができます。
 
また、試作品を作る設備をお持ちでない場合は、急速冷凍機など本格的な設備を備えたテストキッチンを提供しているサービスもありますので、そこを借りて試作してみてもよいでしょう。

 
 

技術上の課題が明確であればあるほど対応しやすい

私の専門分野は冷凍における技術上の課題の解決です。そのため、問題が個別的・具体的に絞り込まれたものであればあるほどゴールは近くなります。
 
たとえば、すでに生産している商品の乾燥を防止する方法についてのご相談や、生産した商品の品質の変化を防止する方法についてのご相談、製造中に起こった問題についての原因究明や分析であれば、具体的な問題点が目の前にあるので非常に対応しやすいといえます。
 
これらの場合は、解決に時間と手間がかかるものであれば共同研究を行ったり、すぐに答えがでる簡単なものであればその場で対応したりするなど、その後のプロセスも明確です。
 
もちろん、生産者や食品メーカーの皆さんの悩みはすべて具体的なものばかりではないでしょう。
「まずは何をすればよいかわからない」「現状の整理についても何を基準にすればよいかわからない」という場合は、今起こっている問題についてできるだけ詳細にメモをしてきてください。
情報が多ければ多いほど、アドバイスへの糸口が見つかりやすくなります。
 
専門家の持つ知恵と現場での情報をもとに、できる限り早く具体的な解決策を見出し、結果を得られるようにしましょう。

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