おいしさそのまま|スープ・汁物・カレーの冷凍・解凍・保存方法

スープ・汁物・カレーは冷凍に非常に適した食品です。ただし、食品の特性や具によっては、おいしく冷凍するためには注意が必要なこともあります。本記事では、スープ・汁物・カレーの冷凍方法と注意点を解説していきます。

冷凍・解凍による影響が少ないスープ・汁物・カレー

汁気の多い食品は、汁気によって乾燥しにくく、冷凍に適した食品だといえます。
パウチに汁を流し込んだうえで、熱が中心部まで早く伝わりやすいよう平たく包装し、ブライン冷凍機の液体に漬け込むなどして凍結します。
 

炭水化物や荷崩れしやすい具には注意

ただし、汁物の中に水分を吸って伸びやすい炭水化物が入っていたり、煮崩れしやすい食材が入っている場合は、あらかじめ別包装にしてそれぞれで解凍・調理を行うようにしましょう。解凍時に食材が水分を吸って食感が悪くなるのを防ぐことができます。
 

冷ます過程で風味が失われないよう冷凍しよう

また、カレーなどスパイスの風味が重要な食品は、常温で放置すると風味がどんどん飛んでしまうため、調理後できるだけ早く凍結を行うことが必要です。
 
熱い食品を冷凍機に入れると凍結の効率が落ちてしまうので、パウチに詰めた液体を氷水に入れて冷ます工程を経るなど、凍結前にも早く品温が下がるように工夫することが必要です。

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フルーツに注意|ケーキ・デザート類の冷凍・解凍・保存方法

ケーキ・デザートは冷凍した状態で販売されることが多くありますが、冷凍・保存・解凍する際にさまざまな注意点がある食品です。本記事では、ケーキ・デザートの基本的な冷凍方法や注意点を解説すると共に、フルーツを使う場合のポイントなどを紹介します。

ケーキやデザート類はエアブラスト冷凍機で冷凍を

ケーキやデザート類は、形状を維持することが重要なので、エアブラスト冷凍機で凍結を行うことが一般的です。
表面にクリームが塗ってある場合は、端が乾燥しやすいため、風速を下げるか、静止冷空気中で凍結するとよいでしょう。マイナス70~マイナス60℃の超低温の無風状態で凍結したり、ランニングコストはかかりますが、炭酸ガスフリーザーで凍結するのもおすすめです。
 
冷たい状態で提供するケーキやデザートは、冷蔵庫等の低温で解凍します。
温かい状態で提供するものは、オーブンや電子レンジ等で加熱します。
 
 

フルーツは解凍すると食感が悪くなるので注意

ケーキやデザート類の凍結の際に最も気を付けるべきポイントは、生のフルーツを使っているかどうかです。フルーツの組織は弱いため、生の状態で凍らせてしまうと、解凍時に食感が維持できません。また、スポンジの中に入っている場合も、解凍時にフルーツからドリップが出てスポンジが水っぽくなってしまうこともあるため、注意が必要です。
フルーツを使う場合はシロップ漬けやピューレにするなど、一度加工を行ってから冷凍すると、食感を損なうことなく解凍できます。

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急速冷凍機の選び方 エアブラスト・ブライン・液体窒素・コンタクト

急速冷凍機には大きく分けて4つの種類があります。エアブラスト、ブライン、液体窒素、コンタクトはそれぞれ特徴が違うため、冷凍する食品やその製造環境、予算に沿って選択する必要があります。本記事ではそれぞれの基本的な特徴と使用する際の注意点を紹介します。

急速冷凍機の種類は大きく分けて4つ

冷凍食品メーカーが冷凍機を購入する際に悩ましいのが、どの機種を選ぶべきかの選択です。
数多くの急速冷凍機が販売されていますが、何を基準に選べばよいのでしょうか。
冷凍食品の製造に欠かせない「冷凍機」は、大きく分けて以下の4種類の方式に基づいて作られています。
 

①エアブラスト冷凍
②ブライン冷凍
③液化ガス冷凍
④コンタクト冷凍

 
 

最もポピュラーな冷凍機 エアブラスト

冷凍機の中でも最もポピュラーな方式です。気体冷却式とも呼ばれます。
文字どおり、冷却した空気を送風し、食品を冷凍します。
 
エアブラスト冷凍機は「バッチ式」と「トンネルフリーザー」と呼ばれる方法に大別できます。
「バッチ式」は冷凍室の中に食品をのせたパン(トレー)やラックを入れ、冷凍室を閉じ、冷却した空気を送風して庫内の食品を冷凍します。
「トンネルフリーザー」はトンネルの中に食品を搬送させ、そのトンネルを通過する間に冷却した空気を食品に当て、トンネルを出てきたときには冷凍した状態にするものです。
 
送風する空気は機種によりマイナス70~マイナス35℃位といろいろ設定があります。
さまざまな食品を冷凍することができる万能フリーザーと呼ばれていますが、強い風が悪影響を与える食品、例えば、表面の形状を崩してはならない繊細なケーキなどは、冷凍する際に強い風が当たりすぎないよう注意が必要です。
また、高風速低温のエアブラスト式冷凍機と低風速超低温エアブラスト式冷凍機がありますので、型崩れや乾燥を防ぎたい食品には風速を抑えたものを選択しましょう。
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液体につけて形を維持  ブライン

ブライン冷凍とは液体を使った冷却法です。液体冷却式とも呼ばれます。低温にしても凍らない液体であるブライン(濃厚な塩溶液・アルコール類)を冷却し、その中に隙間なくパウチした食品を漬け込んで冷凍する方法です。製品を液体に漬けても構わない場合は、パウチなしで冷凍が行われます。
液体が食品の表面に直接触れるので、一般的にエアブラスト冷凍よりも冷凍効率がよいと言われています。
ただ、形状や大きさも関係なく冷凍することができるメリットがある一方、食品内部へブラインが浸透することを防ぐため、どんな包装が必要か検討する必要があります。
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マイナス196℃の超低温の風をあてる  液化ガス

超低温で沸騰した液化ガスを食品に噴きつけ、急速に冷凍する方法です。液体には液化窒素や液化炭酸ガス(ドライアイス)を用います。
液体窒素の場合はマイナス196℃の超低温の冷風を食品に当てることが可能です。食品を超急速で冷凍できるため、食品の組織の損傷が少なくできます。
しかし、ランニングコストが非常に高いため、高級魚やエビなど、高級品に使用されることが一般的です。
【関連記事】液化ガス冷凍機

 
 

金属の板で挟んで冷やす  コンタクト

金属板(フラットタンク)の内部にマイナス40~マイナス30℃の冷却物質を流し、その金属板で食品を挟んで冷凍する方法です。プレート式冷凍とも呼ばれます。
金属が包装された食品に直接触れるため、冷却効率はよいといえます。
金属の板で挟むため、密着性のよい肉や魚のすり身、イカ、ペースト商品などの冷凍に使われています。
【関連記事】コンタクト冷凍機

 
 

条件を考えて最適なものを選ぼう

食品によって、冷凍機は向くものと向かないものがあります。それを誤ると商品の品質に大きく影響してしまいます。
また、急速冷凍機のコストが製品の価格に見合っているか採算面を確認したうえで、冷凍機を選ぶことも重要です。

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専門家に相談を|野菜の冷凍・解凍・保存方法

野菜は冷凍をすると、水分を維持する機能が失われてしまうため、食感が落ちてしまいやすい食品です。野菜の冷凍・解凍には専門的な知見と商品設計が必要なので、取り組む際には専門家のアドバイスを受けましょう。本記事では、代表的な野菜の冷凍方法と注意点を紹介するとともに、冷凍に向かない野菜の特徴について説明します。

野菜の冷凍は難しい

野菜の冷凍は大変難しいため、知識を得たうえでの綿密な商品設計が必要です。
 
野菜は肉類に比べて組織が弱い構造になっているため、冷凍によるダメージで、パリパリ、シャキシャキとした食感が失われやすい傾向にあります。
野菜の冷凍は、専門的な知見が必要ですので、専門家に相談することをおすすめします。

 
 

ブランチングで鮮度と食感を維持

市販されている冷凍野菜は、大半がブランチング(さっと下茹ですること)をしたうえで冷凍されています。ブランチングを行って酵素を失活させることで、解凍時の色や食感の変化、臭いの発生を抑えることができるため、解凍時の品質変化を防ぐことができるのです。
   
冷凍方法は、エアブラスト冷凍機で冷気をあてて冷凍するか、パウチに入れてブライン冷凍機の液に漬けて冷凍します。

 
 

葉物野菜はサッとブランチングして水気を切る

ほうれんそう、チンゲン菜等の葉物野菜やブロッコリーは、さっと短時間ブランチングを行い、水気を切って冷凍します。流水解凍や凍ったまま調理に使うことで、色や食感をある程度保ったまま再現ができますが、食感がやや軟らかくなることには注意が必要です。
また、小松菜など酵素反応の弱い葉物類は、生のまま冷凍しても問題ありません。
【関連記事】調理済食品の解凍に最適!流水解凍の方法と特徴

 
 

いも類は冷凍・解凍しても食感を保ちやすい

じゃがいも、里芋、さつま芋などのいも類は、デンプン質を多く含むため、解凍・調理時の食感の再現性が高い食材です。ただし酵素反応が強いため、冷凍前にブランチングをする必要があります。
汁物にじゃがいもを入れた状態で解凍すると、解凍時に汁気を吸って食感が悪くなってしまうことがあるので、注意しましょう。

 
 

根菜類はブランチングして使いやすい大きさにカット

にんじん、ごぼう、だいこんなどの根菜類は、酵素反応が強いものが多いですが、事前にブランチングしておけば冷凍しても問題ありません。
 
これらの冷凍できる野菜は、解凍時に使いやすいように、ブランチングの前か後にカットしてから冷凍することおすすめします。

 
 

食感を重視する野菜は冷凍には向かない

シャキシャキした食感の野菜

もやし、ニラ、キャベツなど、シャキシャキした食感が重要な野菜は、冷凍には向いていません。しかし、元の食感が失われることが前提であれば、ブランチング後に冷凍し、調理に使うことは可能です。
 

水分の多い果菜

トマトは生のまま冷凍してかまいませんが、解凍後、生の状態には戻りません。そのため、すり下ろしたり潰したりする加工用に使うとよいでしょう。
キュウリも生のまま冷凍できますが、解凍後は食感が変わってしまいます。事前に塩もみをしたうえで冷凍すると、食感を維持できます。

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殻がポイント|貝・甲殻類の冷凍・解凍・保存方法

貝類・甲殻類はその種類によって冷凍・解凍方法を変えなければなりません。殻と身の間に隙間がある場合は、冷凍保存中に身が乾燥しやすいので注意が必要です。むき身にして冷凍すると、乾燥を予防しやすいですが、殻付きのほうが高い価格がつけられる場合が多く、商品設計時に考慮する必要があります。本記事では貝類・甲殻類を冷凍する際の基本的な考え方を紹介していきます。

殻はむいて冷凍がおすすめ

貝類・甲殻類は、素材の種類によって冷凍・解凍方法が違います
 
ほたて、牡蠣などの貝類は、殻がついた状態では冷気が伝わりづらいので、殻をむいたうえで冷凍を行いましょう。
 
えび、かになどの甲殻類も、むき身のほうがうまく冷凍できますが、殻がついた状態のほうが市場での価値が上がるため、殻を剥かずに冷凍されている場合も多くあります。
殻を剥かない場合は、身が乾燥してしまうことがあるので注意が必要です。
 
貝類・甲殻類はエアブラスト冷凍機で冷気をあてて冷凍したうえで、表面に氷の膜を付着させるグレージングを行って乾燥を防ぐか、パウチしてブライン冷凍機で液体に漬け、冷凍しましょう。
 
パウチやパッケージの中に水を入れ、貝類や甲殻類の周囲を水で満たした状態で凍らせる「氷漬け冷凍」でも乾燥を防ぐことができます。解凍に少し時間はかかりますが、手軽な方法として利用されています。
【関連記事】魚介類にオススメ!長期保存できる「氷漬け冷凍」の方法

 
 

二枚貝は、解凍せずに加熱調理に使う

あさり、しじみ等、調理時に貝の口が開くことが必要な二枚貝は、解凍時に一気に加熱調理をすることを指定しなければなりません。
二枚貝を氷水や流水に漬けたり、自然解凍や冷蔵庫解凍を行ったりすると、貝柱のタンパク質が変性してしまうので、貝の口が開かなくなってしまいます。

 
 

殻付き貝の冷凍には専門的な知識が必要

また、牡蠣やほたてなどでも殻が付いていることにより価値が上がる場合があります。この場合、冷気が中の身の部分に届きにくく、全体を一定に冷凍することが難しいため、冷凍方法に工夫が必要です。
加えて、殻の中の確認が困難であるため、異物が混入している危険性も考えなければなりません。
 
殻付きの貝類を冷凍する際には、専門家の助言を得ることをおすすめします。

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種類に合わせて冷凍・解凍を|魚の冷凍・解凍・保存方法

肉に比べて組織が繊細な魚は、冷凍・保存・解凍の過程でダメージを受けやすい食材です。一方、正しく冷凍・保存・解凍をすれば、冷凍前のおいしさを維持したまま食べることができる食材でもあります。本記事では、魚の冷凍・保存・解凍方法について紹介します。

肉と比べて冷凍・解凍のダメージを受けやすい

魚は肉と比べ、冷凍と解凍による組織ダメージを受けやすいため、注意が必要な食材です。
 
魚の組織は肉よりもやわらかくダメージを受けやすい性質を持ち、冷凍により食感の変化が起きやすくなっています。
また、魚の脂質は酸化しやすい不飽和脂肪酸を多く含んでいるため、長く冷凍保存をすると、乾燥にともなう脂質の酸化が起こりやすくなっています。
 
しかし一方で、魚を冷凍すると組織内に氷結晶ができて細胞膜が壊れるものの、解凍をすると細胞内の筋線維が水分を再吸収し、その筋線維が食感を維持する性質をもっています。細胞膜が壊れると水分が流出し、食感が落ちてしまう野菜などと比較すると冷凍・解凍を経ても元の食感に復元しやすい食材といえるでしょう。
 
そのため、組織のダメージを最小限に抑えるための急速冷凍を行なったり、保存中の乾燥防止対策を行ったりするなど、冷凍・解凍・保存において厳密に品質の管理をすれば、高い品質を維持できる食材であるともいえます。

 
 

魚を冷凍する際は急速冷凍を

魚は組織のダメージを受けやすい食材であるため、冷凍する際には「急速冷凍」を行いましょう。
 
急速冷凍により組織の中に発生する氷結晶を小さくすると、組織へのダメージが抑えられ、解凍時の食感の変化や酵素反応を少なくすることができます。
氷結晶は、冷凍のスピードを上げれば小さくなります。そのため、冷凍のスピードを上げるために低い温度と強い風速や流速を使って冷凍できる急速冷凍機を用いると、食品の解凍時の変化はより少なくなります。
 
しかし一方で、急速冷凍機の能力や性能を上げると、電気料金などのランニングコストも上がってしまうことには注意が必要です。加えて、エアブラスト冷凍機など風を吹かせて冷凍するタイプの急速冷凍機では、強い風を未包装の食品に当てると、食品が乾燥してしまう場合があります。
 
氷結晶を小さくすることによる品質の向上だけに着目せず、生産する商品に最も適した冷凍法や製造原価ついても目を向けることが必要です。

 
 

保存時の乾燥予防は冷凍魚介類の品質の鍵

魚介類の脂質には酸化しやすい不飽和脂肪酸が多く含まれており、組織が乾燥することで食感が落ちるだけでなく味が変化しやすい性質を持っています。そのため、冷凍保存中の乾燥予防が品質を維持するうえで大変重要です。
 
氷の膜で食品の表面を覆う「グレーズ」や、包装材を用いて食品の周囲に空間ができることを防ぐ、または、調味料で味付けをし乾燥や組織の変性を防ぐといったことが必要です。

 
 

魚の調理状態に合った解凍法を選択することが必要

魚介類は解凍の際の酵素反応にも注意が必要な食材です。
特に生食をするものについては、酵素反応により食感や味が変化したり、ドリップが発生したりすると、魚介類独特のおいしさが損なわれてしまいます。
 
魚介類の適切な解凍法は生や味付け、加熱の有無など、食材がどう調理加工されているかによって変わってきます。
最も適切な解凍方法を選択するようにしましょう。

 
 

調理加工状態別の魚介類の冷凍・保存・解凍法

ここでは、これまで説明されてきた内容をもとに魚の加工別の冷凍・保存・解凍方法について説明していきます。
 

丸ごと冷凍する

魚や貝類を調理加工せずそのまま冷凍する方法です。
 
魚や貝類を内臓やえら、殻の処理をせずに丸のまま袋や容器に入れ、その上から水を注ぎ入れます。
魚や貝の周囲を水が覆ったら、空気を抜いて封をするか、蓋をして凍らせます。
こうすることで、食品の周囲を氷で覆う状態で冷凍を行うことができ、冷凍保存中に食品が空気に触れさせないことで乾燥を防止することができるのです。
この方法は「氷漬け冷凍」や「注水冷凍」と呼ばれます。
 
解凍する場合は、氷ごと容器から取り出して、水を張った容器の中に入れる「氷水解凍」を行いましょう。
【関連記事】生食用の冷凍品の解凍に最適! 氷水解凍の方法と特徴

 
一般的に、魚介類を保存する際には腐敗防止のために内臓の処理などを行いますが、この方法で冷凍・保存・解凍をする場合は、内臓やえらの処理をしないようにしてください。処理をしてしまうと、組織に傷がついて、その箇所から傷みやすくなってしまいます。
氷で覆うとかさが増して冷凍庫に収納できないなど、氷漬け冷凍が難しい場合は、凍結前または凍結後にラップ等の包装材で魚を密閉包装することでも冷凍をすることができます。
 
解凍を行う場合は、氷水を張った容器の中に漬け込んで解凍しましょう。
氷水解凍を行うことで、解凍中に酵素反応による味や食感の変化を少なくすることができます。
 
ただし、ラップ等で外側を密閉するだけの場合は、貝などの場合はどうしても殻の中に空間ができてしまうため、身の乾燥が起こりやすくなってしまいます。
魚の場合も氷漬け冷凍と比較して、やや乾燥しやすいことは頭に置いておき、早めに解凍をして調理に使うようにしましょう。
 

フィレやむき身の状態で冷凍する

魚介類を加工してフィレやむき身の状態で保存する場合は、フィレやむき身が乾燥しないように包装を行い、冷凍する必要があります。
 
袋に入れて脱気包装をするか、ラップ等の包装材で隙間なく密着した包装を行うなど、冷凍保存中に食材が空気に触れないようにしましょう。
包装は、冷凍前と後のどちらで行っても問題ありません。
脱気包装をする場合は、強く脱気をしすぎると身からドリップが発生してしまうので、空気をほどよく抜く程度にとどめましょう。
 
解凍する際は、解凍中に魚の酵素が反応し、組織が変化してしまうことを防ぐため、氷水解凍を行いましょう。
 
フィレやむき身は乾燥を予防する包装を行うことで、品質を長く良好に保つことができますが、調理加工により組織がダメージを受けているため、丸ごと冷凍する場合に比べ、品質が劣化しやすい状態になっています。
丸ごと冷凍する場合よりも、早めに解凍し、調理に使うことを心がけましょう。
 

下味をつけて冷凍する

フィレやむき身に下味をつけて冷凍をすると、魚介類の品質をより良好に保って冷凍・保存・解凍をしやすくなります。
 
食品に調味料で下味をつけると、食品中の水分が調味液に引き寄せられたり、調味液自体が膜の役割を果たしたりすることで、乾燥・酸化が起こりにくくなり、酵素反応も抑えられます。
加えて、解凍中の酵素反応も抑えられるため、冷凍・保存・解凍を通じて品質を高く保ちやすくなり、長期間の保存もしやすくなります。
 
食材の特性から濃い味付けが難しい場合には、薄い砂糖水や油を塗っておくだけでも保存性が上がります。
 
解凍する際には、濃い味付けをしている場合は流水解凍でも問題ありません。
薄い味付けの場合は、氷水解凍を行いましょう。
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干物の状態で冷凍する

干物は、以前は常温で保存するための加工方法でしたが、近年は塩分を減らした加工が主流となっており、常温では日持ちがしなくなったため冷凍されて流通することが一般的です。
塩水に漬け込んで乾燥させた調理品であるため、既に下味がついており、冷凍には向いている食品といえます。
 
干物を冷凍する場合は、冷凍保存中の乾燥・酸化を避けるため、冷凍の前後どちらかで、袋に入れて脱気包装を行うか、ラップ等で空気に触れないように密閉包装を行いましょう。
 
解凍する場合は、解凍せずに凍ったまま焼いて調理をすることができます。
また、身が厚い場合は凍ったまま焼いてしまうと、周囲が焦げて中まで火が通らないことがあります。その場合は、包装材ごと流水解凍を行って、干物がある程度柔らかくなってから焼きましょう。
ラップ等の隙間のある資材で包装をされている場合は、袋に入れて空気を抜いて流水解凍を行いましょう。
 

加熱調理された魚介類を冷凍する

加熱調理された魚介類は冷凍・保存・解凍によるダメージを受けにくい食材です。
加熱により酵素が失活しているうえ、味付けにより乾燥・酸化が起こりにくくなっています。
 
冷凍を行う際は、冷凍の前後で食品を袋に入れて脱気包装を行うか、ラップ等の包装材で隙間なく密閉包装を行いましょう。
 
解凍する際には、自然解凍、流水解凍、加熱調理のどの解凍法を行っても問題ありません。
ただし、自然解凍は食品が傷みやすい常温での解凍になるため、気温が高いときに長時間放置しないなど、食品の衛生面に注意したうえで行いましょう。
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魚の状態に合わせて、適切な冷凍法を選ぼう

このように、魚を冷凍する際には調理の状態に合わせてさまざまな注意点がありますが、適切な冷凍・保存・解凍方法を選ぶことで、食材の品質を長期間高く保ったまま保存をすることが可能になります。
 
冷凍技術をうまく活用すれば、魚介類の日持ちを伸ばし、広い範囲で長期間流通させることもできます。
食材の可能性を高める冷凍技術を使って、食品のロスを少なくするだけでなく、地域ならではの食材をどのように加工し、商品化することが適切か、考えてみるとよいでしょう。

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冷凍に強い|肉の冷凍・解凍・保存方法

牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉などの肉は冷凍保存しやすい素材です。冷凍保存の際に品質が損なわれないように、空気を抜いて保存する、下味付けるなどの工夫をして、おいしく長く保存しましょう。本記事では肉の冷凍・保存・解凍方法について紹介します。

冷凍してもおいしさを損ないにくい肉類

肉とその加工品は冷凍に大変適した食材です。
 
肉は冷凍すると組織内に氷結晶ができて組織の細胞膜が壊れてしまいますが、解凍すると細胞内の筋線維が水分を再吸収する性質をもっています。そのため、筋繊維が肉の食感を維持し、ドリップが出にくいという性質をもっています。
 
また、肉に多く含まれる飽和脂肪酸は、魚に含まれる不飽和脂肪酸と比較して酸化しにくいため、冷凍保存中に食材が酸化するいわゆる「冷凍焼け」の状態になりにくい性質も持ち合わせています。
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そのため、適切な方法で冷凍・解凍を行なえば、長期保存と品質維持が実現できる食材といえるでしょう。

 
 

小売り用の生肉を急速冷凍する方法

肉を急速冷凍する際には、一般的にエアブラスト冷凍機で冷気をあてるか、真空パウチにしてブライン冷凍機で液体に漬けて冷凍します。
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消費者用に細かく切ったものを冷凍する場合には、細かく切ったうえで、空気が入らないように平たく包装し冷凍します。
エアブラスト冷凍機を使う場合は、ラップ包材等で隙間なく包んで平らに伸ばすか、袋に入れて脱気包装を行って冷凍するとよいでしょう。
ブライン冷凍機を使う場合には、袋に入れて脱気包装を行ってから冷凍します。
 
これらの冷凍機を使うにあたって、生産性を重視するあまり低い温度の冷気を強く吹き付けたり、低温のブラインに漬けたりすると、表面だけ速く凍結してしまい、まるで乾燥しているかのように表面が白濁して見えることもあります。
白濁しても品質に影響はありませんが、商品の外見を重視する場合は、白濁しない程度に温度を下げて使うことも必要です。

 
 

小売り用の生肉の保存性を高める方法

肉の冷凍保存中に気を付けるべきは、肉の乾燥と酸化です。
冷凍した肉の周囲に空間があると、水分が蒸発して肉が乾燥してしまいます。加えて、肉が乾燥すると肉に含まれる脂肪が酸化しやすくなります。
 
これを防ぐためには、冷凍保存中の肉が空気に接しないように、食材に密着した包装を行うか、袋などに入れて脱気包装をするとよいでしょう。
 
さらに、肉を冷凍する際に、タレや調味料で味付けをしておくと保存性が高まります。
タレや調味料の成分が食品中の水分をひきつけ、乾燥や酸化が起こりにくくなるのです。
加えて、タレや調味料による味付けで、解凍中の酵素反応も少なくできます。

 
 

小売り用の生肉をおいしく解凍する方法

冷凍状態で販売する肉については、消費者用に適切な解凍方法について説明を添付する必要があります。
 
加熱用の生肉の場合は、ステーキ肉ならば凍ったままフライパンで焼いたり、しゃぶしゃぶ用の肉ならば沸騰した鍋に直接入れたりして一気に食品の温度が上がるように加熱をすると、酵素を失活させることができ、解凍時に食品の色や食感が悪くなることなく調理できます。
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凍ったまま加熱することが難しい場合は、氷水解凍を行いましょう。
氷を入れた容器に水を張り、食品を漬けこんで解凍します。脱気包装された袋や真空パウチの場合は、そのまま氷水に漬け込みます。ラップ包装の場合は、袋に入れて中の空気を抜き、氷水に漬け込んで解凍します。
肉の中心に少し凍った芯が残る程度に解凍できたら、氷水から出し、包装材から取り出して使います。
【関連記事】生食用の冷凍品の解凍に最適! 氷水解凍の方法と特徴
 
急ぎ解凍が必要な場合は、流水解凍でも構いません。水を張った容器に氷水解凍と同様に肉を漬け込み、上から水を流し入れて解凍します。
肉の表面が酵素反応により少し変化することがありますが、氷水解凍よりも速く解凍をすることができます。
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加熱調理、氷水解凍、流水解凍が難しい場合は、冷蔵庫解凍を行うと肉の品質を維持したまま解凍をすることができます。
ただし、冷蔵庫の中に生肉を入れてゆっくり解凍するこの方法は、酵素反応を抑えられますが、解凍するために1日程度の時間がかかります。
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調理済みの肉製品を冷凍・保存・解凍する方法

調理済の肉製品は加熱により酵素が失活していたり、味付けにより酵素反応が抑えられたりしている状態のため、冷凍・保存・解凍を通じて品質を高く保ちやすくなっています。
 
たとえば、ハムやベーコン、ソーセージなど味付きの加工肉は冷凍・解凍を行ってもほとんど影響がありません。
 
冷凍・保存をする際には、生肉と同様に空気に触れないように袋に入れて脱気包装を行うか、ラップ等で隙間なく包装をしましょう。
 
解凍を行う場合は、酵素が失活しているか抑えられた状態のため、流水解凍や自然解凍で問題ありません。
自然解凍を行う場合は、食品が解凍中に傷まないように温度管理や衛生管理に気を付けるようにしましょう。

 
 

業務用の生肉を冷凍する方法

業務用の生肉は、大きな塊の状態で冷凍され、小売店などで切り分けられることが多くあります。
 
厚い大きな塊の状態で肉を冷凍する場合は、急速冷凍機で冷凍を行ったとしても、中心部がやや緩慢冷凍になってしまいます。
しかし、肉はやや大きめの氷結晶ができたとしても、解凍時に組織が水分を再吸収する性質を持っているため、品質についてさほど心配する必要はありません。
 
一方、冷凍保存中は肉の表面で乾燥・酸化が起こります。このため、大きな塊の場合も真空パウチで密閉包装をすることが必要です。
肉が大きく、食材の周辺から空気を遮断した包装が難しい場合は、周辺部が乾燥・酸化してしまいますが、中心部の品質は高く保たれているため、周辺部を切り取って使うようにしましょう。
 
解凍を行う際には、大きな業務用の塊肉は流水解凍や氷水解凍ができないことがあります。
この場合は低温の冷凍庫でゆっくり時間をかけて解凍すると品質を高く保てます。
大量の冷凍肉を一度に解凍する必要がある工場などでは、冷蔵庫解凍では時間がかかってしまうため、マイクロ波や高周波を使った装置で数分から十数分の短時間で解凍を行うこともあります。
 
冷凍が保存のためではなく加工のために使われることがあります。
薄切り肉を製造する場合は、生の状態で切ろうとするとよく砥いだ歯を使っても薄く切ることが難しいですが、半解凍の状態でスライスを行うと薄く切り分けることができます。

 
 

肉の特性を知って冷凍をうまく活用しよう

肉は冷凍保存と相性がよい食材のため、適切な冷凍・保存・解凍方法を用いれば、品質がよい状態で長く保存することができます。
 
冷凍保存を活用して食材を長く保存することができれば、ロスを最小限に防げるだけでなく、通販を行うことができるなど、流通や販売の手段を広げることもできるでしょう。
 
冷凍を上手に活用することで、品質のよい肉をより多くの取引先や消費者に届けられるようにしましょう。

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乾燥しているサイン!冷凍食品の霜・冷凍焼けを防ぐ方法

冷凍庫で食品を保存していると、霜だらけになってしまうことがあります。解凍して食べてみると味や食感がいまいちだと感じることも多いのではないでしょうか。この状態を「冷凍焼け」と呼びます。本記事では、霜と冷凍焼けの関連を紹介するとともに、霜と冷凍焼けを防ぎ、食品をおいしく冷凍・解凍し食べる方法を解説します。

霜は食品から蒸発した水分でできている

食品を冷凍庫で保存していると、いつの間にか冷凍庫の中や食品のパッケージの中に霜がたくさんついていることがあります。
 
食品パッケージの中の霜は、食品内部の水分がパッケージ内に昇華し、周囲の空気が冷えたときに氷になってしまったものです。
また、食品のパッケージ外や冷凍庫の壁面などについている霜は、冷凍庫内の水分が昇華して氷になってしまったものです。冷凍庫の霜が、冷気を発生させるフィンの周りや冷凍庫の壁面近くにできやすいのもこの理由からです。
 
霜は、食品内や空気中から水分が集まり氷になったものなので、水分が昇華したあとの食品や空気中は乾燥した状態になります。

 
 

霜は「冷凍焼け」の原因の一つ

霜ができてしまうと、食品は乾燥して食感がパサパサになったり、色が悪くなったり、臭いが出始めてしまいます。これを一般に「冷凍焼け」と呼びます。
「冷凍焼け」が起き、食品のおいしさが損なわれてしまわないように、食品の水分が蒸発しないような対策をとることが必要です。
 

対策1:食品とパッケージの間の空気を抜く

食品内の水分の蒸発を防ぐには、食品とパッケージの間の空気をなくすことが有効です。
食品とパッケージがぴったり密着していると、その間の空気がなくなり、水分が蒸発しにくくなります。
 

対策2:食品の周囲をたれや砂糖水、油でコーティングする

食品の周囲をたれや砂糖水、油でコーティングすると、食品中から水分が蒸発しにくくなります。
また、たれや砂糖水、油によるコーティングは、酸化など、冷凍庫の中で起こる食品の変化を抑えるうえでも有効です。
 

対策3:冷凍庫の開け閉めを少なくする

食品から水分が蒸発してしまう最も大きな要因は、冷凍した食品の周囲の温度変化です。冷凍庫を何度も開け閉めしたり、食品を常温で運んだりすると、食品の周囲の温度が上がった結果、食品内から水分が蒸発し、パッケージ内に水蒸気が発生してしまいます。
発生した水蒸気は、再度周囲の空気が冷えてくると、冷えてきた場所に集まって霜になるため、パッケージ内に霜ができてしまいます。
そのため、霜を防ぐためには、食品保存時や輸送時の温度変化が少なくなるよう気を付けることが必要です。

 

対策4:長期間の保存に注意

冷凍した食品を長期間保存すると、周囲の温度が変化する回数が多くなりどうしても霜が付きやすくなります。
長期間保存したい場合には、真空包装にしたり、たれや砂糖水や油に漬けたり、冷凍庫の開け閉めがないようにしましょう。
また、冷凍庫自体の温度をマイナス40℃など低温にしておくと、冷凍庫内の温度が上がりにくくなるため、霜ができにくくなります。

 
 

霜を防ぐパッケージと調理例

空気を抜いて包装

パッケージと食品の間の隙間をなくすと、食品内部の水分が蒸発する場所がなくなり、乾燥を防ぐことができます。袋に入れて空気を抜くほか、ぴったりと食品に密着するシュリンク包装も効果的です。
一度開封してしまった真空パッケージ商品を再度保存する場合には、食品の周囲をラップなどで包むとよいでしょう。
また、ラップで2~3重巻きにする、断熱材に包むなどすれば、食品の周囲の温度変化を防ぐことができ、霜の発生を予防しやすくなります。
 

味付け冷凍

味付きのたれのなかに食品をひたして冷凍するいわゆる「味付け冷凍」は食材の乾燥を防ぐために大変有効な方法です。
食品に味を付けたくない場合は、油を塗ったり、味に影響しない程度の薄い砂糖水にひたしたりすると、味付け冷凍と同じ効果を得られます。
この場合も、食品パッケージの中には霜が発生しますが、調味液から水分が蒸発するので、食品本体に影響が及びにくくなります。
肉や魚、野菜などの冷凍保存の際に便利な方法です。
 

グレージング

スーパーで販売されている魚介類に氷の膜が付いていることがあります。この氷の膜を付けている状態を「グレージング」と呼びます。
一度食品を凍結させてから水にくぐらせて再度凍らせたり、氷の膜をまんべんなく食品に付着させたりすることで、食品表面からの水分蒸発を防ぎます。
ただし、この氷の膜は水でできているため、氷自体が蒸発し、だんだん薄くなってしまいます。そのため、長期間保存する場合は、再度グレージングを行うことが必要です。
 

氷漬け冷凍

魚介類を冷凍する際に有用なのが魚介類の周囲に水をそそぎ、そのまま凍らせる氷漬け冷凍です。魚まるまる一匹の場合は、内臓をとるなどの下処理をせずに水に漬けこみましょう。
殻付き貝の場合も、水の中に漬けて凍らせれば、殻の中で身が乾燥し、縮んでしまう現象を防ぐことができます。
 
解凍方法は、氷漬け冷凍した食材を氷ごと水に漬け込めば、速く、新鮮な状態で解凍することができます。
ただし、二枚貝を氷漬けした場合は、水に漬けるのではなく、鍋で加熱するなどして熱を加えましょう。一度解凍してから加熱すると貝が開きにくくなってしまいます。

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鮮度がおいしさの重要なポイントとなる魚介類は、使い切れない場合の保存が難しい食材です。美味しく長く楽しむために冷凍を活用する場合は、どんな点に注意して保存をすればよいのでしょうか。本記事では魚介類の冷凍保存の際に最も気を付けるべき「乾燥」を防ぐことができる「氷漬け冷凍」による冷凍保存方法を紹介します。

魚介類は丸ごと、水を張って冷凍すると長持ちする

水に漬けても影響がでにくい魚介類は、ちょっとした工夫で、生食用・加熱用ともに鮮度を保ったまま冷凍保存をすることができます。
食品を入れたパッケージに食品の周囲を覆ってしまう程度に水をそそぎ、そのまま凍らせる「氷漬け冷凍」を行うと、長期にわたり保存することができます。
豆あじやあさり、しじみなど、小ぶりで保存容器に入りやすいものは、保存容器内に魚介類に被る程度まで水をそそぎ、冷凍庫に入れましょう。
さんまなど保存容器には入りにくい大きさのものは、袋等に入れ、そのなかに水を入れて凍らせるとよいでしょう。

 
 

周囲の氷が防いでいるのは、空気への接触

水を注いだ容器ごと凍らせると、食材は氷に覆われた状態になるため、食材が空気に触れることを防ぐことができます。
冷凍した食材が、食品パッケージの内の隙間などの空気に触れた状態だと、食材の水分は周囲の空気へ蒸発しやすくなり、乾燥してしまいます。
周囲に間隙がないようにパッケージングすることが重要ですが、貝殻などどうしても空間ができてしまうもの、えら等の隙間から空気が入ってしまいやすいものについては、注水による冷凍がより効果的です。

 
 

解凍は中の氷ごと水の中へ漬け込んで溶かす

氷漬け冷凍をした食品は、氷ごと水を張った中に漬け込んで解凍します。こうすることで、解凍状態の食品の温度は0℃前後となるため、食品は氷水解凍と同様の状態になり、氷結晶の粗大化や、酵素反応による組織の変化が起こりにくくなります。
生食用の冷凍品の解凍に最適! 氷水解凍の方法と特徴

 
 

「氷漬け冷凍」は魚介類の保存・輸送に広く用いられている凍結法

氷漬け冷凍は、エビをはじめ、多くの魚介類の業務用輸送に活用されています。業界の用語では「注水凍結」といい、方法も簡単であることから、多くの生鮮魚介品の輸送を支える技術となっています。
しかし、保存効果や方法が簡単な一方、注水したぶん容積や重量がかさんでしまうので、保管場所や輸送コストがかさんでしまう点には注意が必要でしょう。

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多くの冷凍食品は、梱包・配送が原因で品質が劣化している

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また、「取り寄せた冷凍食品や冷凍品の味がいまひとつに感じる」そんな経験はないでしょうか。
冷凍された食品は、いまやスーパーをはじめとする小売店だけでなく、通販でも気軽に購入できるようになりました。
しかし、冷凍した食品を適切ではない方法で梱包・配送されると、生産時よりも品質が落ちてしまいます。
 
以下では、食品が適切に梱包・輸送され、品質を保てる状態になっているかを確認するための「包装」「温度」「加工状態」に着目し、解説していきます。

 
 

食品は空気にふれない状態で梱包する

まず、着目すべきは食品の梱包状態です。食品の可食部分(食べられるところ)が空気と触れ合わないように、しっかり食品に密着した形で包装されているかを確認しましょう。
食品と袋の間に空間があったり、保冷剤が入っている袋の中に食品をむき出しで詰めたりすると、食品は大変乾燥しやすくなります。
食品と梱包の中の空気が直に触れた状態で、周囲の温度が変動すると、食品中から空気中に水分が昇華します。
空気中に昇華した水分は、パッケージ内が冷えると霜になるため、もし商品が霜だらけになっていれば、その食品は乾燥してしまっているという証です。
 
また、水分が昇華すると、乾燥した状態の食品は空気と化学反応しやすくなり、食品の酸化も進みやすくなってしまいます。
嫌な臭いがしたり、味の変化が起こったりするいわゆる「冷凍焼け」は、乾燥がきっかけになることが大半です。
 
食品の乾燥を防ぐためには、食品を空気に触れさせないようにぴったりとした密着包装とすることが有効です。
ほかにも、周囲を調味液で満たして冷凍したり、魚介類であれば、周囲に水を注ぎ、そのまま凍らせたりすることで乾燥を防いでもよいでしょう。

 
 

食品の周囲の温度の変化を防ぐ

加えて、食品を冷凍庫から取り出して常温の状態で運んだり、冷凍庫内の温度が上下したりすると、食品の水分の昇華がより一層進んでしまいます。
 
食品の温度と冷凍庫内の温度が一定の場合は、食品内の水分が水蒸気になる圧力が等しく、水分が昇華しにくい状態です。
それが、周囲の温度が上がり、食品の品温も上がってしまうと、その後冷凍庫内が冷やされた際に、周囲の温度よりも食品の品温の方が高い状態になってしまいます。食品の温度は周囲の空気よりも遅れて下がるので、食品の水蒸気圧が高い方から低いほうへ水蒸気が発生してしまい、食品から水分が蒸発してしまうのです。

 
このため、食品の周囲の温度はできる限り変動させないようにすることが大切です。
冷凍した後で周囲を保冷剤で包んで温度変動を少なくしたり、食品を運搬する際にパッケージを常温にさらしたりしないようにすることが必要です。梱包した箱を断熱仕様にし、多めに保冷剤を詰めることも効果的でしょう。
 
また、食品の温度がマイナス5℃以上に上がると、冷凍時にできた食品の氷結晶が大きくなりやすいため、低温状態を維持することが必要です。

 
 

長期保存をみすえた流通をする場合は、塩や調味液で加工を

食品を凍結すると、食品内に氷結晶が発生します。家庭用や一般業務用で用いられているマイナス20℃程度の環境では、氷結晶は徐々に大きくなってしまいます。
氷結晶が大きくなると、食品の組織にダメージを与えやすく、繊細な食感の食品の舌触りが悪くなったり、ドリップが出やすくなったりします。
 
加えて、マイナス20℃程度の温度帯の冷凍庫で長期保存をしていると、どんなに良好な状態で保管していても、食品の酸化や組織の変性はゆっくり進んでしまいます。
 
これらを和らげるためには、塩や調味液で食材を味付けし、塩分や糖分に水分をひきつけることが有効です。
水分をひきつけることで氷結晶の粗大化を妨げることができ、塩分や糖分を食品内に染み込ませることで、酸化などの組織の変化を起こりにくくすることができます。

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